東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の戸倉公民館が完成し、10日に落成式が行われた=写真。式典には、住民および関係者ら約100人が出席し、地域コミュニティー再生の新たな場として整備された公民館の完成を祝った。10月1日から供用開始する。町内で被災した3つの公民館のうち、再開するのは同公民館が初めて。
公民館の再建には、旧戸倉中学校校舎が活用された。同中学校舎は東日本大震災の津波で1階部分が被災して廃校となり、今後の利用方法について検討していた。
1階部分は全面的に内装を改修した。2階部分については、既存の部屋をベースに間取りを変更することなく、理科室の固定式机の撤去などにとどめてリフォームしたことから閉校式後に生徒が残した黒板の絵など、当時の中学校舎の面影が随所に残る形となった。
館内には公民館機能のほか、地域の憩いの場として情報コーナーや図書室、震災記録室などを整備した。
工事費は約2億9000万円。町分負担以外に災害復旧補助金とドイツ赤十字社からの寄付や合併特例債を充てた。
規模は、RC造2階建て延べ約2437㎡。設計は、日新設計(仙台市)。志津川建設(同町)が施工した。工事場所は同町戸倉字沖田69番地。
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