北海道建青会の全道大会を主管する宗谷建設青年会(斎藤敬介会長)は、宗谷管内の高校を対象に実施した「建設業に関するアンケート」結果をまとめた。回答では、生徒、保護者、教師らに建設業が果たす役割について一定の理解はあるものの、建設業の賃金、勤務時間への誤解や認識不足といった回答が多くみられ、PR活動が不十分であることが明らかになった。
アンケートは、宗谷管内の全7高校で実施した。生徒719人、保護者509人、教師133人の計1361人から回答を得た。設問は、建設業の将来性や賃金、勤務時間、イメージ、就職希望など23問を設定した。
「建設業が果たす安全・安心確保の役割について」では、保護者と教師の理解は9割を超えたが、「知らない」と答えた生徒は3分の1を占めた。「PR活動についてどう思うか」では、生徒、保護者、教師ともに「知らない」との回答が多数を占め、PR活動が十分に伝わっていないことが判明。
「賃金・給与のイメージ」では、保護者、教師の約半数が「安い」と回答。生徒は「安い」「分からない」が30%台で、ほぼ同率だった。「勤務時間のイメージ」では、生徒、保護者、教師ともに「長い」が最多となり、特に生徒では4分の3を占めた。「就職する際に重視すること」では、生徒、保護者は「賃金・給与」、教師は「やりがい」が最多だった。
生徒を対象とした「就職希望有無とその理由」では、「希望する」4.4%、「希望しない」65.0%、「分からない」30.6%となった。希望しないと答えた主な理由は、「他の職種に魅力を感じる」が最多で「自分に向いていない」「小さい時からの夢がある」などと続く。
保護者を対象とした「子どもに建設業に就職したいと相談された場合の対応」では、「賛成」「反対」「分からない」の回答がほぼ同率となった。「反対」と答えた理由は、「給料が安い・安定していない」が最多で、「公共事業減少など将来性がない」「危険な仕事で体力的に無理」「他につかせたい職業がある」と続いた。
自由意見では、生徒からは、「きついというイメージや休日が少ない、賃金が安い、ということがなくなれば魅力的に感じるのでは」「人のために造っているなど喜びなどがあることをアピールすると良い」などの意見があった。
保護者、教師からは、「業界で働きたいと思えるよう理解や興味を持ってもらうことが必要」「見学会などを多く実施し、実際の現場を見せることが大切だと思う」など、建設業への理解を深めるための取り組みを求める声が寄せられた。
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