2016/09/13

【関東地整】UAVやKu-SATが活躍!  沼田市柿平地区の土砂災害・応急対策工事が完了


 関東地方整備局利根川水系砂防事務所は11日、台風13号に伴う前線豪雨の影響で7日未明に土砂災害が発生した群馬県沼田市利根町柿平地先での応急対策工事をすべて完了させた。現在、財務省への災害復旧申請の準備中で、採択されれば砂防堰堤などの緊急的な対策工事を実施する。他事例と同様に手続きが進んだ場合、10月末の採択、2016年度内の工事発注、17年度内の完成を見込む。

 家屋のある柿平地区では、7日午後5時30分から大型土のうの設置を始めたが、沼田市の要請を受け流出土砂(約3000m3)を撤去してから土のう設置を進める方針に変更。土砂撤去は市の依頼で群馬県建設業協会沼田支部が実施した。その進ちょくに伴い、同事務所は10日午後5時15分から土のう設置を再開。撤去土砂を利用しながら大型土のう106個と土のう400個を家屋周辺に設け、11日午後2時50分に作業を終えた。柿平地区に土砂が流出した柿平沢の上流部でも応急復旧を実施した。9日午後5時25分から作業を開始し、不安定堆積土砂70m3の撤去と大型土のう46個の設置を10日午後4時30分に終えた。


 現地調査に当たっては、UAV(無人航空機)を飛ばし、柿平沢や左支川の沢からの土砂流出を確認した。さらに国土交通省と沼田市が現地映像を確認するためのKu-SAT(可搬型衛星通信システム)を柿平地区内に、土石流を感知するワイヤセンサー1基を柿平沢上流部に設置した。
 今後の土砂災害の危険性などを把握し、対策を検討するための専門家として、9日には土木研究所が1人、国土技術総合研究所が2人を派遣した。応急対策として大型土のう設置、さらに緊急的な対策として砂防堰堤や土石流導流工(流路工)などが必要と沼田市長に報告している。
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