ME(メンテナンスエキスパート)新潟の有資格者でつくる「ME新潟の会」(荒木克会長)は10日、同会として初めての試みとなる「おしかけ点検」を新潟県見附市椿澤町で実施した。今回は自治体や建設企業、建設コンサルタント企業などに所属する有資格者20人が参加。これまで培ってきた点検技術を地域に還元しようと河川、道路構造物などをくまなく見て回った=写真。
出発式は椿澤町公民館で開催。荒木会長らが注意点などを説明した後、参加者は3班に分かれ、町内を流れる椿田川に沿って橋梁、道路路面、護岸、河川堤防などの劣化具合を調べた。
具体的にはハンマーによる打音検査などから各構造物の現状を把握し、同会独自の点検シートに記入した。コンクリートやアスファルトのクラック、内部の空洞化が進み、利用者(住民など)への影響が懸念される損傷については、その場で安藤昇町内会区長に状況を伝えた。点検結果は管理者に後日報告する。
安藤区長によると、椿澤町内は中越地震で大きな被害を受け、人口が大きく減少。発災前は180世帯あったが、いまでは140世帯まで落ち込み、「高齢化も進み、以前のような自助、共助が難しくなっている」という。ただ、被災経験を通じ、社会インフラの役割を強く認識しているだけに、「専門家(ME新潟)が町内の危険個所を見つけ出してくれるのは非常にありがたい」と謝意を表す。
おしかけ点検は社会インフラの老朽化対策が本格化する中、ME新潟の活躍の場となりえる日常点検を実践し、その成果を地域に還元しながら、有資格者の点検技術の維持・向上につなげるのが狙い。今後は県内全域で展開したい考えだ。
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