東鉄工業が施工を手掛けるJR中央本線塩崎駅ホーム直下の塩崎架道橋改築工事が最盛期を迎えている。山梨県甲斐市と東日本旅客鉄道(JR東日本)八王子支社との協定に基づいた塩崎駅周辺整備事業に伴う工事で、歩行者と列車の安全を維持しつつ、幅約1mの歩道部を拡幅し、車道を2車線化する。工期は2018年3月までで、7月からは歩道部のボックスカルバートの施工を進めている。
工事では、列車を運行しながら施工する工事桁架設工法を採用し、山留開削で線路下に3径間ボックスカルバートを構築する。14年10月に始まり、まず既設の架道橋内に歩行者用仮設通路の空間を確保し、それ以外を埋め戻した。終電後の作業時間を確保するため既設ホームを短時間で組み立て・解体ができる簡易な構造としたほか、軌道敷内は重機械の移動性を高めるため木製で工事用通路を構成した。
既設桁を撤去して線路をいったん有道床化した後は、山留工の鋼矢板とH鋼杭を打設し、薬液注入工を施工。15年10月からは、軌道を受ける工事桁の仮橋台と仮橋脚を設置し、工事桁を分割架設した。
ボックスカルバート(歩道部)の鉄筋組み |
グラウンドアンカー工で山留を施工し線路下を掘削後は、歩道部ボックスカルバートを構築して、歩行者用仮設通路を新設した歩道部に切り替える。その後、車道部側を掘削してボックスカルバートを構築し函体工を仕上げ、工事桁の撤去と有道床化を行う。
古井孝範現場代理人は、「杭打ち工事では支障物に悩まされるなど多くの制約条件があったが、列車安全を優先し慎重に作業を進めた。発注者や地元の皆さまにご協力をいただき、所定の工期内に品質の高い構造物を完成させ、地域住民や関係者の期待に応えたい」と意気込む。計画段階から現場で統括してきた山田和人監理技術者は、「すべての線路内作業は、終電後のわずかな時間で安全に行う必要がある。工事桁を架設するまでは、仮設ホーム組みバラシや重機械による施工など気が抜けなかった。地域住民の皆さまも完成を心待ちにしており、これからも気を抜かず無事故で完成させたい」と決意を新たにする。
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