2016/09/28

【現場最前線】地上発進のシールド機、192m付近を施工中! 357号東京港トンネル工事


 関東地方整備局川崎国道事務所は27日、東京都品川区で進めている「357号東京港トンネル(その2)工事」の現場を報道向けに公開した。国道357号の同トンネル東行きを整備するもので、地上発進を採用した外径12.2mの泥土圧式シールドマシンが近く東京港直下を掘り始める。2016年末前後に1315mを掘り終える見通しだ。施工は大林組・鹿島JVで、マシンは川崎重工業が製作した。写真はシールドマシン前方のエレクターやシールドジャッキ

 施工区間は同区八潮2丁目(大井側)~東八潮(台場側)間の1890m。内訳はシールド工1315mのほか、大井側が立坑部29.5mと開削部235m、台場側が立坑部29.5mと開削部270m。工期は14年3月25日から17年3月31日までだが、若干延びる可能性がある。
 地上発進を採用したことから大規模な立坑を省略し、地上設備も省力化できた。トラックが坑内に直接入ることができるなど、作業効率も高くなっている。

ボックスカルバートと重量付加部材で浮力安定性を確保

 大井側では立坑だけでなくU型擁壁も含めた開削工を先行して進め、マシンは7月12日に発進した。日進16mを目標に掲げ、26日夕方時点では発進立坑から約192m付近を施工している。
 土被りが小さいことから、浮力に抵抗するためマシンには重くするための鉄板を入れた。坑内もボックスカルバート(避難通路)と重量付加部材を設けている。
 安全確保に当たっては10人が36時間待機できる緊急避難用シェルターを設置している。
 17年度からは設備や舗装などを施工し、18年度の開通を目指す。設計は日本シビックコンサルタントが担当した。
発進立坑

シールドマシンの運転室


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