2016/09/27

【建築新人戦2016】最優秀は、塩浦一彗さん(ロンドン大バートレット校)! 審査員から「100点」の声


 「建築新人戦2016」(実行委員長・中村勇大京都造形芸術大教授)の公開審査会が25日、大阪市北区の梅田スカイビル・ステラホールで開かれた。日本全国や海外の大学・専門学校などから応募された995作品の中から、塩浦一彗さん(ロンドン大学バートレット校3年)の「Chano-yu Tea ceremony Light house」=写真=が最優秀新人賞に選ばれた。

 塩浦さんは「まさか受賞できると思っていなかった。審査員の方から『課題に対する回答として100点』と言ってもらえたのが印象的。これからも楽しんで建築を追求していきたい」と喜びの言葉を述べた。

最優秀の塩浦一彗さん(ロンドン大学バートレット校)

 同日は、1次審査を通過した100作品の中から入賞8作品を午前中に選出。午後は公開でプレゼンテーションと質疑応答を行い、最優秀1点と優秀3点を決めた。優秀新人賞には、森下啓太朗さん(近大3年)の「vacuum city」、山本圭太さん(早大3年)の「表裏の解体」、軽部蘭さん(同)の「広場化する街路ハイパースクール」を選出した。入賞者には表彰状、上位4者には共催の総合資格から副賞が贈られた。
 最優秀新人賞の塩浦さんの作品は現代版茶室のプロジェクト。パーティションや床、天井にガラスやハーフミラーなどさまざまな反射率の素材を用い、中にLED(発光ダイオード)を仕込み発光させた低鉄ガラスの柱を使用するなどして、反射による錯覚空間を演出する「現代版隔離覚醒茶室コンプレックス」を提案した。
 総合資格関西本部の福西健一本部長は午後の審査に先立ち、「今回から共催となった。これからも皆さんとともに盛り上げていきたい。新人戦に参加した経験は将来必ず役立つ」とあいさつした。


 審査終了後、審査委員長を務めた小川晋一近大教授は「新しく、見たことがない作品を中心に選んだ。建築は完成したかたちが語るもの。プレゼンテーションで評価が変わることもあるが、やはり作品の出来が勝負であるということを分かっておいてほしい」と講評した。
 審査委員は芦澤竜一滋賀県立大教授、乾久美子横浜国立大教授、加藤耕一東大准教授、武井誠TNA代表、福岡武則神戸大特命准教授が担当した。

 上位4点を除く入賞作品は次のとおり(敬称略)。
 ▽ShakeMuseum=池田匠(工学院大3年)▽たまりば-地域の特色を生かした図書館を含む複合施設=平岡和磨(信州大3年)▽支えとして、遊び場として、寄りどころとして=今江周作(近大3年)▽輪廻転生=松岡竜生(名工大3年)。
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