2016/09/24

【土木学会】24件を選奨土木遺産に認定 湘南港や鳴子ダムなど戦後の構造物も


 土木学会(田代民治会長)の選奨土木遺産選考委員会(小林一郎委員長)は20日、2016年度選奨土木遺産として24件を発表した。写真は鳴子ダム

 1964年のオリンピック東京大会で築造され、 市民に開かれた海洋文化の発展に大きく寄与した湘南港 (神奈川県藤沢市、 64年竣工)や、鳴子ダム(宮城県大崎市、57年竣工) など、 戦後に完成した構造物も認定されている。
 同日、東京都新宿区の土木会館で会見した選考委員会の阿部貴弘幹事長は、今回の特徴について「竣工年も近世から戦後、種類もダム、橋梁、河川、港湾施設を始め、測量基線など多岐にわたっており、幅が広がってきている」と説明した。
 また、選定過程については「インフラ遺産が観光の活性化につながることもあり、地元から『是非選定してほしい』との要望も多くなっている。今回の認定に当たっては、戦後に完成したものについても活発な議論が行われた」と述べた。
 土木学会は、文化的価値の評価や土木技術者へのアピールなどを目的に、完成後50年以上が経過した構造物を対象に、選奨土木遺産を00年度から認定している。今回の24件を含め、これまでに347件が認定されている。

 認定された24件は次のとおり。
▽旧網走線開業時の鉄道施設群(北海道陸別町ほか)
▽開拓使三角測量基線-勇払基線(勇払基点、鵡川基点)、函館助基線(一本木基点、亀田基点)(北海道小樽市ほか)
▽磐越西線鉄道施設群(福島県、新潟県)
▽四ツ谷用水(仙台市青葉区)
▽十三湖水戸口突堤(青森県五所川原市)。
▽鳴子ダム(宮城県大崎市)
▽わたらせ渓谷鐵道関連施設群(群馬県みどり市ほか)
▽響橋(横浜市鶴見区)
▽江連用水旧溝宮裏両樋(茨城県下妻市)
▽南高橋(東京都中央区)
▽信濃川千手水力発電所施設群(新潟県十日町市)
▽小山樋門(千葉県松戸市)
▽湘南港(神奈川県藤沢市)

湘南港
▽榎戸新田橋りょう(千葉県八街市)
▽向野橋(名古屋市中村区ほか)。
▽名古屋港跳上橋(名古屋市港区)
▽宮川堤(三重県伊勢市)
▽三重高等農林學校農場の給水井戸(同津市)
▽百寿橋(奈良県大和郡山市)
▽旧国鉄五新線(未成線)鉄道構造物群(同県五條市)
▽火ノ山砲台(山口県下関市)
▽宮内川青石護岸(愛媛県八幡浜市)
▽佐井川橋(福岡県吉富町)
▽姶良橋(鹿児島県姶良市)
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