土木学会関東支部新潟会(美寺寿人会長)は13日、2016年度の研修会を開いた。今回の見学先は工事が佳境を迎えている、新潟市の白根水道町ポンプ場と新潟県胎内市の奥胎内ダム=写真。いずれも高度な施工技術を駆使した現場だけに、参加者はその様子を熱心に写真に収めていた。建設企業、建設コンサルタント、発注機関、大学、高等専門学校などから40人以上が参加した。
最初に訪れたのは、白根水道町ポンプ場建設工事。日本下水道事業団(JS)の発注で、フジタ・日本国土開発・水倉組JVが施工している。
見学に先立って、事業主体の新潟市とJSの担当者が事業効果や工事概要などを説明。その後、同工事の監理技術者である黒木卓氏(フジタ)の先導のもと、現場内を見て回った。
ニューマチックケーソン工法を採用しているため、関連設備のマテリアルロックやマンロック、ホスピタルロックへの関心が高かった。現状では沈下掘削が最盛期に入っている。
白根水道町ポンプ場建設現場 |
施設規模はRC造地下1階地上3階建て延べ約5800㎡。排水能力は1秒当たり11.7m3を見込む。工期は17年2月27日まで。8月末現在の進捗率は約6割となる。建設地は同市南区白根水道町地内。
続いて、新潟県が建設する奥胎内ダムを訪れた。工事事務所で同県の担当者から工事概要の説明を受けた後、同ダムが一望できるデッキに移動した。7日にはコンクリートの最終打設式を終えており、全容を現した巨大な堤体に学生らは驚きを見せていた。
同ダムの建設を請け負う鹿島・大成建設・加賀田組JVの中村栄順副所長(大成建設)は、「本体基礎掘削岩の9割をコンクリート用骨材に使用している、非常に珍しい現場」と説明した。
ダム型式は重力式コンクリート。規模は堤高82.0m、堤頂長198.9m、堤体積26万m3、総貯水容量1000万m3。本体工事は16年度に終える予定。8月末の進捗率は約9割に達している。閉塞、工事用道路の撤去を経て、18年度の完成を目指す。
建設地は胎内市下荒沢。
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