東北建設業青年会(後藤吉伸会長)と東北工業大学の学生との意見交換会が14日、仙台市青葉区の宮城県建設産業会館で開かれた=写真。学生からは「女性の登用をもっと多くすれば、就職希望者が全体的に増える」「建設業は悪者ではなく、ヒーローであるとアピールした方が良い」といった前向きな提案が出された。一方、青年会側は建設業で働く先輩として、来春から“新建設人”となる学生に仕事のやりがいなどを伝えた。
意見交換会には、後藤会長を始めとする同会役員14人、東北工大工学部都市マネジメント学科の4年生7人、中山正与学科長・教授、須藤敦史教授、東北地方整備局企画部の井上圭介企画調整官、横山喜代太技術調整管理官が出席した。
冒頭、あいさつに立った後藤会長は「建設産業は社会資本整備を担う極めて重要な産業であり、これまで培ってきた技術・技能を伝承し、国民の安全・安心の確保と国の発展に貢献する使命がある。若者が生涯を託せる魅力ある産業にしていきたい」と語った。
建設業界への就職が内定している学生たちは「東日本大震災を経験して、生活の基盤となるインフラ整備に携わりたいと思った」「誇りを持ってできる仕事を考えた時、“土木”が頭に浮かんだ。道路やダムなど、公共施設をつくりたい」「自分が生まれたまちをもっと便利なまちにしたいと思った」など、業界を選んだ動機を説明した。
また、若者が就職先に建設業界を志望するようになる提案として「工事で3次元データやUAV(無人航空機)などを使っていることを一般の人にも知ってもらうべき」「若者はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をよく見るので、SNSで情報発信した方が良い」「3K(危険・きつい・汚い)のイメージを完全に払拭することは難しい。その中でも仕事のやりがいや、格好良さをアピールすべき」などを挙げた。
一方、「休みが取りづらいと聞くが実際はどうか。残業は多いか」「景気に左右されやすい印象があるが、経営を維持するために努めていることは何か」「建設業の仕事を辞めたいと思ったことはあるか」などの質問も出された。
青年会側からは「忙しく残業が多い時期もあるが、1年中ではない。まとめて代休を取って家族旅行をしている社員もいる」「経営を維持するため、得意分野に注力しているほか、優秀な技術者・社員が残ってくれるよう努めている」「仕事が嫌になったことは何度もあるが、地域から感謝されたことを励みに今も頑張っている」などと答えた。
井上調整官も「地域に喜ばれることが土木技術者の喜びになる。真正面から自分の仕事に向き合ってほしい」と呼び掛け、横山管理官は「1日も早く現場を任されるようにいまのうちから資格取得の勉強を始めてほしい」とアドバイスした。
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