A 福岡市の中心地で8日早朝に起きた道路陥没事故には驚いた。縦横約30m、深さ15mという規模は前代未聞だ。現地の様子はどうだろうか。
B 博多駅前の市道で博多駅とキャナルシティ博多、天神へつながるまさに目抜き通りでの事故だった。道路は封鎖され、停電やガス供給の停止、周辺のビルには避難勧告が出された。それを伝えるアナウンスや報道ヘリの音で現場は騒然としていた。
A 市営地下鉄七隈線延伸事業のトンネル掘削工事が原因とされているが、道路陥没のメカニズムなどはわかっているのかな。
C トンネルはNATM。地下水や軟弱地盤の存在などが指摘されており、工法採用が今後の検証材料になりそうだね。ただ、主原因の追及はこれからの課題となるだろう。
A 市は過去にも2度道路陥没を起こしているようだが、当時の状況は。
B 2014年10月には今回の現場から約400m離れた場所で縦横深さ各約3m陥没した。00年6月にも現場から約2㎞離れた場所でやはり地下鉄工事で市道が陥没している。
A ところで、現在の現場の状況は。
C 応急復旧に精力的に取り組んでいる。現場一帯の停電は9日午前に解消し、9日夜には下水道も回復した。市は道路を含むライフラインの仮復旧を14日までに完了する方針を公表している。これだけの事故で、死傷者が一人も出なかったことは不幸中の幸いといえる。
◆技術士制度見直し
A 建設分野の技術者資格の取得が多い技術士について、制度が見直されるようだが。
B 科学技術・学術審議会(文部科学相の諮問機関)技術士分科会(第8期)の下に設けた「制度検討特別委員会」が、制度見直し内容を示した報告書案を10月18日にまとめた。見直しの柱は、2次試験の筆記試験必須科目の試験方法を択一式から記述式に変更することと、選択科目を現在の96科目から69科目に再編・整理することだ。20部門のうち建設部門11科目の再編・整理はないが、社会資本の老朽化に対応する維持管理・更新を出題内容に加えることになった。
C 11月8日に開いた分科会では、特別委の報告書案を審議した。前期(第7期)から議論を積み上げてきたこともあって、報告書案はおおむね了承されたといえる。委員からは「制度変更によって既存資格が不利にならないよう配慮してほしい」「技術士資格を活用している経済産業省や国土交通省など関係省庁との連携を一層深めてもらいたい」「大幅変更になるので受験者に対する周知期間が必要」などの意見が出ていた。
A 技術士制度改正のスケジュールはどうなるのか。
B 分科会の中で文部科学省が、11月中旬から報告書案に対する一般意見を募り、12月下旬に開く予定の今期最終分科会で報告書をまとめる予定だと説明した。年明けの審議会に報告書を策定したことを報告することになる。
C 文科省は報告書を踏まえ、技術士法関係省令や告示の改正作業を17年度に進める。最短だと18年度の試験から制度変更となる。ただ、委員からの意見にもあったように、文科省でも一定の周知期間確保が必要だとみて、省内で検討していることを分科会で明らかにした。試験日程は毎年7月の2次試験の筆記試験から始まる。こうした状況から、制度変更後の最初の試験は19年度からになるのではないか。
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