2016/11/17

【熊谷組】超高層住宅「陶朱隠園」上棟! 台北の新たなランドマークに


 熊谷組台湾現地法人の華熊営造が台湾・台北市で施工する超高層住宅「陶朱隠園」の上棟式が16日に現地で開かれた。これまで、台湾で多数のランドマークを手掛けてきた熊谷組と華熊営造。樋口靖社長は「ネットワークのある地域できちっとした仕事をしないと高品質のものはできない」と明かし、今後はさらなる連携の強化を図るとともに、グループ全体でも台湾で成功事例を重ね、グループ保有の技術などを海外に展開する。

 現在、華熊営造が手掛ける案件の約8割は高級マンションだが、後藤貞裕副総経理は「建設投資が縮小傾向にあるため、今後はネームバリューではなく真の力が試される」と見据え、熊谷組グループと技術や人材育成で連携強化を図り、市場競争力の向上や台湾顧客の海外進出支援などに取り組み「品質、安全ともに台湾でナンバーワンのゼネコンを目指す」と力を込める。

式典で植樹する樋口靖社長
熊谷組グループとしても台湾を重要な地域に位置付ける。樋口靖社長が「海外に大きく依存はしないが、新規事業の柱の1つが海外事業となるのは間違いない」と強調するように台湾や香港、ベトナム、ミャンマーなどでの事業展開と事業基盤整備による業績貢献体制の確立を海外事業方針に掲げる。これまで実績を重ねてきた台湾では、熊谷組と華熊営造による人事交流を進め生産体制の構築に取り組むほか、両社の技術力を生かし台湾国内でJVで大型案件に挑む。「台湾でグループの建築やリニューアルなどの技術の実績を積み海外に展開していく」(樋口社長)考えだ。

式典で引き上げられる鉄骨

 上棟を迎えた陶朱陶園は、これまで台湾で積み重ねた実績と施工能力が受注につながった事例だ。建物の最大の特徴はDNAの二重らせん構造から着想を得た斬新なフォルム。地上部構造体は2フロア分の高さのトラスを中央コアとウイング部先端のメガカラムに架け渡す構造で、左右ウイング部が中央コア部分を中心としてフロアごとに4.5度ずつ回転することでメガカラムをねじれた形状にしている。


 コンクリートなどの荷重がかかるとトラスが正規の位置に納まるように、あらかじめ左方向にずらし、かつ鉛直方向に持ち上げて設置した。17階では、約12cm持ち上げた状態で施工した。山崎英樹華熊営造総監は「トラスの数値は議論を重ねて手探りで進めた。3フロアほど施工した段階で計算に近い数値が出たため確信を得た」と振り返る。稲豊彦華熊営造董事長は「技術的にも意匠的にも特殊な建物。竣工に向けて華熊営造、熊谷組一同全力で取り組む」と力を込める。
 規模はS造地下4階地上21階建て延べ4万2773㎡で高さ93.2m。基本設計はフランスの建築家ヴィンセント・カレボー氏、実施設計は元宏聯合建築師事務所、構造設計は傑聯國際工程顧問が担当。工期は2013年8月1日から17年9月30日まで。
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