2016/11/10

【現場最前線】大断面のルーフ&カルバート工法の函体など公開! 外環三郷南~高谷


 関東地方整備局と東日本高速道路関東支社は9日、埼玉、東京、千葉の3都県で建設中の東京外かく環状道路(外環)三郷南インターチェンジ(IC)~高谷ジャンクション(JCT)間約15.5㎞の現場を公開した。披露したのは葛飾大橋、松戸IC、京成本線直下のボックスカルバート、京葉JCTのAランプシールドなど。中でも京成線直下のボックスカルバートについて同社では、「ルーフ&カルバート(R&C)工法でこれだけ大断面なのは世界初では」としている=写真。2017年度の開通を目指す。

 三郷南IC~高谷JCT間の本体は、一般国道298号を含め約4㎞を国土交通省、約11.5㎞を東日本高速道路会社が施行中。外環の多くは半地下で、一部が高架構造。一般部は地上を通る。


葛飾大橋


 東日本高速が施行する三郷南~東京都・千葉県境間の約3.5㎞は連続高架橋区間。江戸川を渡る葛飾大橋の上部工(施工=横河ブリッジ・JFEエンジニアリングJV)は、地上で開通済みの298号の通行を止めないよう、遮音壁の支柱を箱桁にあらかじめ付けた上で送り出し工法で設置した。

松戸ICの掘割区間。右はオンランプ

 京成本線直下のボックスカルバートは、東日本高速から受託した京成電鉄が工事を発注。下り線北側の立坑内で4連2層のボックスカルバートを2個現場打ちしてはケーブルで京成線直下にけん引を繰り返した。完成した4つの函体は高さ18.4m×幅43.8m×長さ37.4mで、総重量約2万6000t。1工区は大成建設・戸田建設・京成建設JV、2工区は清水建設・京成建設・東急建設JVが施工した。

京葉JCTのAランプシールド

 東日本高速が施行する京葉JCTのAランプは、内径13.27m×長さ507.1m。5月9日に掘進を開始し、現在、約440mの位置にある。外環本線、Aランプを含む複数のランプを施工する田尻工事は大成建設・戸田建設・大豊建設JVが担当。

京葉JCT地上では国道の橋梁工事が進む

 同JCTのうち半地下の外環本線の上では、国道298号の稲荷木橋(鋼上部工)北工事(施工=高田機工・瀧上工業JV)の準備が進む。17年2月には京葉道路を通行止めにして架設する予定だ。
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