2016/12/26

【応用地質】被災時の情報収集から報告まで自動化! 民間自治体のBCP支援サービス


 応用地質は、発災時の緊急対応業務を支援する新サービス『ServiBers(サバイバーズ)』の販売を全国で開始した。被災現場と災害対策本部をICT(情報通信技術)でつなぐことで、被害状況の情報収集-集計-報告までを自動化し、初動・復旧・復興などの各フェーズと対応すべき行動を支援する。「民間、自治体のBCP(事業継続計画)をサポートする。全体図を把握して、すべきことを最短距離で会社や自治体に指示するシステム」(同社)としている。発災時の緊急対応業務を自動化・可視化することで、迅速・的確な判断と対応が可能になるとしている。

 例えば、地震が発生した場合、災害・気象情報と、同社が保有する膨大なデータベースを連動させて、瞬時に推定震度分布を色分けしてモニターに表示する。その直後から災害対策本部を設置、各事業所の震度分布表作成、職員の安否確認、各拠点への被害状況報告要請、備蓄用品の確認要請など、時間軸に沿って災害対策本部が対応すべき具体的な行動内容をモニターに表示する。
 被災現場からはサバイバーズのアプリをインストールしたタブレット端末やスマートフォンで被害状況を撮影し、コメントを添えて送信すると、災害対策本部が報告内容をただちに自動集計し、各地の被害状況をスピーディーかつ正確に把握することができる。さらに状況がひどかった場合には外部の被害状況報告、協力依頼、社内応援要員検討など、災害対策本部が対応すべき復旧・復興時のオペレーションを“オンタイム”でサポートする。事業の早期復旧を支援し、災害時の損失を最小化する。
 これまで発災時のアナログ的な対応によって生じていた情報の錯綜・混乱をICTの活用により迅速・的確な緊急対応を進化させた事業継続マネジメント(BCM)の支援までを見据えた画期的なサービスとしている。
 他社にも同様のシステムがあるが、サバイバーズの特長は「報告内容が自動で集計されることと、当社が60年以上蓄積した地盤のデータ量を持っていること」とするとともに、「内閣府や各都道府県のさまざまな被害想定を行っているので、各地の地盤の地震の伝わり方などが社内でそろっている。細かなエリアまで瞬時に出すことができる」としている。

全体のイメージ

 また、同社の強みとして、「日本全国の地盤データを民間企業で最も多く持っており、より細かな予測が可能になる。同時に地震防災アセスメント業務の実績が日本一であり、ノウハウがすべて詰め込まれている」としている。また、「パソコンでデータを気象庁から持ってきて、一目で見られるというものとは違う」と強調する。
 サバイバーズの1番の目的は、「損失をいかに小さくするか。企業にとっては災害による損失をいかに小さくするか、自治体にとってはいかに被害を最小限にとどめるかだ」と力を込める。
 開発に至った経緯は、ことし4月に発生した熊本地震だ。地震発生後、現地入りした時に同社の職員がどこで何をしているのかが把握できなかったため、「自分の企業の社員の状況を把握するというのも1つのきっかけになった」。実体験を通じて現場に本当に必要なことを詰め込んだ。また、「自治体の治山事業向けの業務支援システムを以前から納入していたが、そういったノウハウもサバイバーズに入っている」とする。
 「官公庁の土木職員が年々減少している一方で、地震や土砂災害が激甚化している。国土交通省がi-Construction(アイ・コンストラクション)を推し進め、現場の生産性を高めているが、災害の現場でも生産性を高められるので、少ない人員でより効率的に広域をカバーして減災につなげることができる。官民問わずいろいろな使い方ができるので、マーケットは広い」と手応えを感じている。
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