日本建設業連合会東北支部(竹浪浩支部長)は、東北地方整備局が発注、大林組・富士ピー・エスJV(松野徹所長)が施工している国道45号吉浜釜石道路工事(岩手県釜石市)で市民見学会を開いた=写真。参加した地元の釜石商工高校の生徒と職員ら約140人は、開通後には人が立入ることができない現場を歩いたほか、同JVが準備した企画を通じて、建設業の重要性を知る貴重な体験をした。
見学会は、普段は入ることができない現場を公開し、そこで働く職員と接することで建設業に親しみを持ってもらうとともに、公共事業への理解促進を目的に実施している。
日建連側は本部から駆け付けた谷田海孝男常務執行役と同支部の山田正敏広報委員長ら8人が参加した。
冒頭、谷田海常務から「社会資本整備の大切さ、現場でものをつくるやりがいを肌で感じてもらい、この見学会が卒業後に役立つことを期待している」と呼び掛けた。
引き続き、東北地方整備局南三陸国道事務所の隅田成朗建設監督官が三陸沿岸道路全体の事業概要について説明した。
見学会では生徒たちが(仮称)唐丹第1高架橋と(仮称)唐丹第2トンネルを現場担当者の説明を聞きながら歩いて回った。担当者はトンネルができ上がるまでの過程を各部位ごとに指しながら丁寧に説明したほか、苦労してトンネルを貫通させた喜びや達成感などを生徒たちに伝えた。
この後、模型を使って橋梁完成までの作業内容・工法を説明するとともに、トンネルが「なぜ丸いのか、四角ではだめなのか」と題し、周辺地盤からの圧力により四角では形が崩れてしまう「アーチ効果」を再現。生徒たちは担当者の説明を熱心に聞き入っていた。最後に、トンネル現場で働く同校の卒業生と女性職員が建設業で働くやりがいについて生徒たちに語った。
見学会に参加した生徒からは「日ごろ何気なく通っているトンネルが気の遠くなるような大変な作業を繰り返して、利用者のために工事していることをありがたいと思った」という感想があった。また、女性の建設業への入職ついては「女性だから駄目というわけではなく、どんな作業にでもチャレンジできるのだと分かった」と話した。
三陸沿岸道路(吉浜釜石道路)は吉浜インターチェンジから釜石ジャンクション間を結ぶ14㎞の復興道路。このうち、大林JVは荒川、唐丹第1、同第2のトンネル3カ所と唐丹第1、同第2の橋梁2カ所の施工を担当している。
現在の工事進捗率は90%、工期は2017年3月31日。11月29日には唐丹第2トンネルの貫通式を予定している。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら
0 コメント :
コメントを投稿