東京急行電鉄が進めてきた東急池上線・戸越銀座駅の改修「木になるリニューアル」が完成し、11日に竣工記念セレモニー「TOGOSHI GINZA RENEWAL-想いをつなぐ」が開かれた。1927年の開業から約90年の年月を刻んだ同駅の木造駅舎の趣などを継承し、東京都内で生産される多摩産材をふんだんに使い、環境に配慮して駅舎の内外装をリニューアル。屋根をホーム全体にかけ替えるとともに、出入り口のバリアフリー化、トイレ改修、木製ベンチや新たに製作した駅のシンボルマーク、のれんなども設置した。
リニューアル工事では、多摩産材を約120m3使用することで、鉄骨造に比べて建設段階のCO2放出量を約100t削減するほか、木材使用による炭素固定化によって約70tのCO2削減に寄与する。また、「東京都森林・林業再生基盤づくり交付金事業」の補助により実施するもので、都内の鉄道施設としては初めてとなる。
意匠設計(基本・実施設計)はアトリエユニゾン、構造設計はホルツストラ(基本設計)、樅建築事務所(実施設計)が担当し、東急建設が施工した。
竣工式には、同駅を管轄する東急電鉄の柴沼俊彦五反田駅長、戸越銀座商店街連合会の山村俊雄会長、品川区の濱野健区長らを始め、同連合会マスコットキャラクターの「戸越銀治郎」が参加し、鏡開きを行うなど、リニューアルを祝った。
柴沼駅長は「商店街の顔、まちの顔として新しい駅となることを地域の方と連携しながら進めてく」とあいさつした。濱野区長は「戸越銀座商店街は日本を代表する商店街。昨年、電柱を地中化し、青空が広がった。ことしは戸越銀座の中心の駅が“木になる”ということでリニューアルした。発展をする戸越銀座にふさわしい、すばらしい駅になると期待している」と祝辞を述べた。
東急電鉄は、駅が身近になる活動を通して、選ばれる沿線日本一に向けた「いい街 いい電車 プロジェクト」を推進している。
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