防水材料総合メーカーの日新工業(東京都足立区、相臺公豊社長)が主催する「第43回日新工業建築設計競技(水コンペ)」の表彰式が11月30日、東京都港区の国際文化会館・岩崎小彌太記念ホールで開かれた。写真は審査員長の六鹿氏から表彰状を贈られる2等の岩本早代氏
「ボタニカル・アーキテクチャー」と題した今回のコンペには351点の応募があり、1等にはコロンビア出身のエドアルド・タピア氏(Universidad de los Andes)が選ばれた。同氏は表彰式には出席しなかったが、コロンビアからSkypeを通じて「われわれが住む世界に役に立つ仕事が提案できるよう、夢を持ち続け、創造し続け、繊細な感受性を持って取り組んでいきたい」と受賞の喜びを語った。今回の応募は30%が海外からの応募となった。表彰式では2等の岩本早代氏(東京芸大大学院)に審査員長の六鹿正治日本設計会長から表彰状が贈られた=写真。
表彰式に先立ち、主催者を代表してあいさつした相臺社長は「これからの建築はアイデアが重要になる。(建築の)物件も少なくなる中、良い作品をつくり社会に貢献し、社会につながりを持つことが重要です。建築界のためにも頑張ってください」と激励した。
六鹿審査委員長は「今回のテーマは『ボタニカル・アーキテクチャー』だった。海外の方にも分かりやすいテーマだったのか、海外からの応募も多く、11作品の受賞作のうち5作品が海外からの応募だった。今後も分かりやすいテーマを設定してきたい」とし、「ボタニカルの意味として『植物の』『植物でできた』といった広い意味と、『植物学的な』という狭い意味の2通りがある。今回の1等はきわめて狭い意味でのボタニカル・アーキテクチャーだった。また、都市の空き地をつなぎビオトープをつくる案や、国境に植物を植えて境界を曖昧(あいまい)にしてそこに人々を集わせるなどの案が出た。建築の世界は国境を越えてアイデアが行き交い、それぞれのアイデアを尊重し合う物。建築家の力が必要とされている分野がたくさんある。これからも交流を深めてほしい」と講評した。
審査委員は六鹿委員長のほか、北山恒法政大教授、山梨知彦日建設計常務執行役員設計部門副統括、乾久美子横浜国立大大学院Y-GSA教授、長谷川豪長谷川豪建築設計事務所代表の各氏が務めた。
1・2等以外の入賞者は次のとおり(敬称略)。
〈3等〉カン・リ(早大)、ウー・ズォーイァン(東大)ペア。
〈佳作〉唐●(●=龍に共)洋(中国石油大学)、陳丹(同)ペア▽レ・アイン・ヴー(福岡大大学院)▽何東明(栖行建筑)▽齋藤直紀(フリーランス)▽杉浦岳(横浜国立大大学院)、高橋麻里(筑波大大学院)ペア▽井上岳(慶応大大学院)、赤塚健(日本設計)ペア▽竹澤洸人(工学院大大学院)▽笠井洸(竹中工務店)、椙山雄大(同)、田村賢(同)チーム。
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