2016/12/03

【本】「反住器」「ガキの舎」「住吉の長屋」 情念深き建築群書き尽くした『異形建築巡礼』出版


 安藤忠雄、毛綱毅曠、渡辺豊和、六角鬼丈ら各氏の「異形の建築」を批評した建築家・石川修武氏の書籍『異形建築巡礼』の出版に合わせ、25日に東京都港区の国際文化会館で記念式典が開かれた。
 発起人を代表してあいさつした安藤忠雄氏は「この本に収録されている情念の深い建築群を見て、いまの時代の人はとんでもない建築と思うかもしれない。しかし、自分の思いと魂をぶつけて建築をつくればこの形しかないと思っている。この本を読んだ人の中から、明日の建築をつくる人が出てきてほしい」と語った。

石川修武氏

 式典後、著者の石山修武氏は「人間の住まない建築は良くないとされているが、それは戦後のアメリカ型民主主義の良くない点だと思う」とした上で、「この本で毛綱毅曠の『反住器』、渡辺豊和の『ガキの舎』、安藤忠雄の『住吉の長屋』、六角鬼丈の『自邸』の建築を書き尽くした。ぜひご一読いただきたい」と語った。
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