NPO法人・アートアンドアーキテクトフェスタ(AAF)主催の建築レクチュアシリーズ「217」に、建築家・安藤忠雄氏が登場。会場に詰めかけた若者ら500人を超す聴衆に向かって、安藤氏は挑戦することの大切さなどを訴えた。
22日夜、大阪市北区のグランフロント大阪で開かれた同イベントで、司会役の平沼孝啓氏と芦沢竜一氏からの質問に対し、さまざまな思いを語った。
子どものころ成績は決して良くなかったが「18歳で一念発起し意地でも建築家になってやろうと思った」。昼間に仕事、夜は資格取得の勉強、合間に読書や映画など「自分自身に手を入れる」ことに精を出したと話した。「いまの若い人たちは必要以上に失敗を恐れるが、大企業に入るだけが人生じゃない。失敗したほうが人生うまくいく」と述べ、挑戦することの大切さを説いた。大阪のまちを良くするためにはとの問いに「大阪にしかできないことを」と、都心に大学を呼び戻すというアイデアを披露した。「中之島を全部キャンパスにしてはどうか」とも。
またどうすれば安藤氏のように生きることができるか、という会場の若い男性からの質問には「自分の心にある燃えるものは何か。それをつくるためにも勉強しなさい。他人は何も教えてくれない。失敗を恐れず、気迫をもって臨むこと」とアドバイスした。
今後について「自分が面白いと思って始めた仕事だから、最後まで続けたい。人々の心に残る建築をつくりたい」。70歳を過ぎてなお積極性を失わない発言に、聴衆は聞き入っていた。
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