河北新報出版センターは戦後10年間に仙台市内で建てられた建築物を収録した写真集『よみがえる仙台の建築-戦災から10年-』を発刊した=写真。1956年3月に宮城県建築士会仙台支部が編纂した『仙台の新しい建築』の復刻版で、写真集を基に独自取材し、文章と解説を添えた。
本編は、▽レジャー施設、百貨店、ホテル編▽官公庁、住宅編▽学校、大学編▽病院、協会編▽民間企業、銀行編--の5編で構成、戦後初めての近代建築の公会堂と言われる「仙台市公会堂」や東北初の洋風ホテルとして知られる「仙台ホテル」、長年の役割を終えて現在解体工事が進められている「東北地方建設局」(現東北地方整備局)庁舎など、多様なタイプの計84施設を掲載している。
現在、収録された建物のほとんどが姿を消しているだけに、当時の仙台の建築や街並みを知る貴重な記録として資料性も高い。巻頭には当時の仙台市長と仙台商工会議所会頭の寄稿が掲載されているが、そうした文章と建築写真が相まって、戦後の焼け野原からの復興に尽力した当時の関係者の熱意と意気込みが伝わる1冊となっている。
各建物の位置が52年発行の『仙台市街明細地図』上に表示されているのは往時の街並みを探索しているようで趣深い。
A4判、103ページで1600円(税別)。市内の書店などで販売している。
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