2015/05/26

【メンテロボ】「のぼるくん」の技術で大型ロボ開発 外周18mの橋脚をスムーズに昇降! サーフ・エンジニアリング

神奈川県綾瀬市の綾瀬大橋橋脚部でインフラメンテナンスの実証実験が行われた。市内企業のサーフ・エンジニアリングが開発したガス管等メンテナンスロボット『のぼるくん』の技術をベースに大型化したもので、外周約18mの橋脚を覆うフレーム状の機械が高さ約10mまでスムーズに自動昇降するなどの動作を確認した。当日はカメラを搭載し、外壁の状態を記録した。さまざまな検査機器などとのコラボレーションを想定しており、早期の製品化を目指す。

 同橋を管理する綾瀬市が実験フィールドを提供し、経営サポートなどでかながわ信用金庫がバックアップした。同市は周辺の10市2町を含み、2012年に地域活性化総合特区の『さがみロボット産業特区』に指定された。市内企業のロボット開発支援、関連企業の集積を進めており、今回の実験は同市初の公共施設を活用したロボット実証実験になるとともに同社としても初の橋梁を使った実験となった。
 主に管などの筒型状物体の外面検査を用途として開発した『のぼるくん』の技術をベースに橋脚の外周約18mに対応するロボットを新たに開発した。特許取得技術を取り入れ、対象物をスムーズに自動昇降できる特徴を生かしつつ、大型化での安全運転や四角柱形状への対応など、狙いどおりの動きができることなどを確認した。大人1人が載ってもスムーズに上昇し、性能の高さを示した。
 実験に際し根本秀幸代表取締役は「足場を組まずに検査できるため、緊急時などさまざまな用途への活用が期待できる。今回の規模の橋脚部分も約半日で検査ができるのではないか」と既存メンテナンス方法と比較した優位性を強調した。「現場のニーズに合わせた高度化を視野に入れている」と今後の展開を見据え、「安心・安全の実現」に向け、インフラの老朽化対策に苦慮する道路管理者などに積極的に技術提案する考えだ。
 『のぼるくん』は、既存技術では難しかったアール状、でこぼこが多い管に対しても、接触部分の工夫や「作用反作用の法則」をうまく取り入れることで、スムーズな動きや常に対象物と平行して進むなどの技術が認められ、2月に神奈川県などが主催する「かながわビジネスオーディション」で最優秀賞を獲得した。
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