2015/05/15

【出前授業】これがプロの技か! 会津工高3年生に東京朝日ビルドが鉄筋組み上げ指導

竹中工務店グループ専門工事会社の東京朝日ビルド(本社・埼玉県草加市、八木潤一郎社長)は、福島県会津若松市の県立会津工業高校3年生を対象に、鉄筋組み上げの出前授業を開いた=写真。同校建築インテリア科の9人は、目の前で組み上がっていく鉄筋を前に「職人の方はすごい技術を持っている」などと目を輝かせた。同校の田中哲教諭は「今後も生徒が建設業を向くように、こうした取り組みをしてほしい」と話す。

 同社は、高度経済成長期に竹中工務店が躯体工事技能者養成を目的に設立した東北養成所が前身。現在でも毎年社員3%を新卒採用して人材育成を進めている。また、近年の技能者不足を受けて「ビルド学校」という取り組みを始めており、今回の出前授業もその一環だ。
 出前授業には、ベテランの及川盛幸工事部長と社員の加藤大輔さん、そして同校出身で19歳の二瓶玲哉さんが講師として派遣された。受講する生徒は、日ごろから建築デザインや構造力学を学んでいる。
 当日は、講師の3人が図面をもとに柱や梁、壁の鉄筋を実際に組み上げた。また、生徒に結束用のハッカーを渡し、実際に鉄筋を結束する訓練も行った。
 生徒からは、「実際やってみると難しく、結束のスピードに驚いた」「親戚の鉄筋工から難しさは聞いていたが、プロは違うと感じた」「僕も将来こういう仕事に就きたいと思った」との感想が聞かれた。
 二瓶さんは、「2年前は自分もこの学校の生徒で、自分が3年生の時に1年生だった生徒に教えるので緊張した。建築科でない生徒もきてくれてうれしい気持ちになった。これからは五輪も始まるので、人不足はなんとか解消したい」と話す。
 田中教諭も「生徒に実際の作業を見せたいというのがきっかけ。実際のプロの作業を見て、自分でもやって肌で感じれば、より建設産業に興味を持ってもらえる」と話している。
 同社には、会津工高から4人が入社している。今回組み上げた鉄筋は、今後、型枠を組み立てる工程まで行う予定だ。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【建設業イメージアップ】高校では初めて! 国交省らが千葉県立東総工業高で説明会  国土交通省や全国測量設計業協会連合会、全国地質調査業協会連合会、建設コンサルタンツ協会で編成する「建設関連業イメージアップ促進協議会」は3日、建設関連業イメージアップ説明会を千葉県立東総工業高校(旭市)で開いた=写真。高校での開催は初となる。協議会の構成員らが建設科2年生35人を前に、プロジェクターを使いながら仕事内容などを紹介した。  冒頭、国交省土地・建設産業局建設市場整備課の水草浩一氏が「土木分野での建設関連業の役割」を解説した。 そ… Read More
  • 【次代を担う】新鉄鋼ビル建替計画(仮称)佳境を迎えた現場 首都大学東京・寺村大真 戦後の高層オフィスビルの草分けとして知られる第1鉄鋼ビルとそれに隣接していた第2鉄鋼ビルを建て替えるプロジェクトが佳境を迎えている。建設地はJR東京駅八重洲北口に隣接し、外堀通りと永代通りに接する。その(仮称)新鉄鋼ビル建替計画現場を首都大学東京都市環境学部建築都市コースの権藤研究室、芝浦工業大学工学部建築工学科の蟹澤研究室と志手研究室の学生計9人が訪ねた。リポーターは権藤研の寺村大真さん(4年生)。 ◆朝7時30分八重洲集合 引率の権藤先… Read More
  • 【土木作業体験】郡山中学校から3人が仙台湾南部海岸の災害復旧現場に 東北地整ら 東北地方整備局仙台河川国道事務所と宮城県建設業協会は11月28日、仙台市若林区荒浜で進められている仙台湾南部海岸の災害復旧現場で、中学生の職場体験学習参加者による土木作業体験を行った=写真。  中学生を対象とした建設現場の体験は、同整備局と東北建設業協会連合会が連携し、ことしから東北6県で展開している。その一環として、11月13日には宮城初の中学生現場体験が行われており、今回が2回目となる。 この日は、同事務所で職場体験学習を行っている仙台… Read More
  • 【体験学習】下館北中学生50人が校倉工法で倉庫建設、引渡式迎える CCI茨城 茨城県魅力ある建設事業推進連絡会議(CCI茨城)は、2014年度建設業体験学習を筑西市立下館北中学校で実施した。10月1日から校庭の隅に校倉(あぜくら)工法で木造倉庫「北の小屋(えき)」を2年生50人で建設、1日に関係者が出席して引渡式が行われた。木造倉庫の建設・提供は1995年度から行っており、同校で22校目になるが、校倉の倉庫は今回が初めて。  木造倉庫の建設には、茨城県建設業協会の青年部組織「未来協議会」県西地区会が中心となって取り組… Read More
  • 【ものつくり大学】「先生!」現役社長が鉄筋組立を指導 RC造建築物を造る ものつくり大学(梅原猛総長)の建設学科の授業に現役の職人が非常勤講師として参加している。24日から始まった今年度第4期授業の1年生テーマは、「鉄筋コンクリート構造基礎及び実習」。土工事、仮設工事、コンクリート工事、型枠工事、鉄筋工事など具体的な建設作業を学生が自ら行い、RC造の小さな倉庫を建築する。大学から要請を受け今年度第3期授業から、東京都鉄筋業協同組合(東鉄協)から派遣された鉄筋業の社長自ら、非常勤講師を務めている。これまでの教室や構… Read More

0 コメント :

コメントを投稿