2015/05/12

【働きかた】男女ともに『人財』 2012年から女性採用始めた森組の則永さん、仲さん、武田さん、熊本さん

男女問わず『人財』を--。2012年から女性技術者の採用を開始した森組。女性も男性もともに働きやすい職場環境を目指しているが、働いている女性たちはどのように感じているのか。同社で働く若手技術者の熊本桂子さん=写真左=、武田祥子さん=写真左から2番目=、仲智美さんと、人事グループ担当部長として人事採用に携わっている則永泰子さん=写真右=に話を聞いた。

 熊本さんは入社4年目、同社で初の女性土木技術者だ。現在は阪急電鉄淡路駅(大阪府東淀川区)付近連続立体交差事業の現場で施工管理を担当している。「体力的に、男性とまったく同じようにはできないこともあります。でもトイレやロッカーといった設備は整っているし、大阪市内の現場ということもあって働きやすい」と説明する。
 「現場も今の職場もすごく楽しい」。熊本さんと同期の仲さんは、マンションや商業施設の現場を経て、現在は本社リフォーム事業本部に在籍。耐震改修や大規模改修関連のプロジェクト支援業務に携わっている。「現場で得た知識やつながりが、今の仕事に生きていることが大きな財産」と話す。
 大学で住環境デザインを専攻していたという武田さんは、入社2年目。「体を動かすことのできる仕事に就きたかった」と建設業を志望した理由を説明する。ことし2月まで大阪・吹田市内の分譲マンション建設現場に従事。初めての現場にもまったく物怖じすることなく「職人さんたちと名前で呼び合えるフレンドリーな関係を築くことができた」と笑顔で語る。
 仕事そのものには大きなやりがいを感じているという3人。職場や会社に対しまったく不満がないのか尋ねると、やり玉にあがったのが「作業着」。仲さんが「デザインを変えてほしい」と言うと武田さんもすかさず「ダサい!」の一言。熊本さんも「もともと男性向けにできているので、服のサイズがなかなか体にあわない」と悩みをこぼす。
 また普段の職場はバラバラということもあって、「もっと気軽に、語り合える交流の場があれば」と仲さんが付け足した。
 則永さんは同社で初の部長職。人事グループの担当部長として新卒採用などに携わっている。「入社当時は建設業のことなど、全然知らなかった。でも何でも言えるフレンドリーな雰囲気があったから、ここまで働き続けることができた」と自らのキャリアを振り返る。女性技術者の採用については、「女性を意図的に増やそうというのではなく、男女を問わず会社の宝となる『人財』を採用したいということ。そうでないと、この業界はこれから成り立っていかない」と狙いを説明する。
 建設業で働く後輩たちに向けて「頑張りすぎないように、頑張ってほしい」とアドバイス。前向きな気持ちを失うことなく、楽しむつもりでこつこつ続けてほしいと願っている。
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