2015/05/21

【メンテナンス】体育館フローリングの滑り係数を拭くだけで調節! 孝和建商の『マジカルラウンド』

床や壁の専門工事業者、孝和建商が開発した『マジカルラウンド』は、モップに付けて体育館のフローリングを拭くことで滑り係数を調整するコンディショナーだ。競技中など緊急で効果を発揮する必要がある場合に使う『マジカルラウンドBspec』も用意しており、2013年の発売後、リピーターが増え、全国に広がりをみせている。

 体育館や武道館のフローリングには、新築時にポリウレタン樹脂塗料が塗布されており、バスケットボールやバレーボール、バドミントンなどの競技に適した滑り係数や耐摩耗性能を持たせている。使用前や使用後に体育館用白モップでから拭きし、常に清潔に維持していれば、その機能を長持ちさせられる。
 しかし、管理者によっては、不要なワックスを塗ることで汚れを付着しやすくしてしまっている。さらに、同樹脂塗料が摩耗して重ね塗りする必要がある場合、つや出し効果を生むワックスのパラフィン成分が再塗装の妨げとなる。
 同社は、「これまでは作ることばかり考えていた」が、全国で間違ったメンテナンスによる事故が続いたこともあり、「20年安全に使えるスポーツフロア作り」を目指して、体育館・武道館フローリングの維持管理のためのメンテナンスブックを作成した。新築引き渡しの際に床についての説明会を開き、正しいメンテナンス方法の普及に力を入れている。
 そのような中、管理者から「メンテナンスに何を使ったら良いか分からないので教えてほしい」と言われることもあったことから、塗料メーカーとタイアップしてマジカルラウンドを開発した。製品化や改良に当たっては、ユーザーの声を反映させるため、地元のプロバレーボールチーム『千葉ゼルバ』や車いすバスケットボールチーム『千葉ホークス』の協力も得た。
 通常は、油性のマジカルラウンドを使用し、競技中や汚れが強い場合用にアルコール系で乾燥が早いマジカルラウンドBspecも用意した。Bspecは、靴底や車いすのタイヤなどのラバーを溶かす成分も入っており、床に直接吹きかけてモップで拭くことで、すぐに競技を再開できる。
 小黒剛社長は、「スポーツは感動を生むが、事故があれば台無しになってしまう」とし、「千葉県内の体育館は安全で長持ちだねと言われるよう、メンテナンスの大切さを啓蒙していきたい」と訴える。

 孝和建商 千葉市中央区汐見丘町16-12。電話043-245-4111。

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