2015/05/11

【世界遺産の玄関口】広島の若手建築家が「宮島口の国際コンペ」に挑む!

広島の若手建築家やデザイナーが手を組み、宮島口まちづくり国際コンペに挑む--。建築やデザインに携わる20-30代の社会人が集まり、広島の建築や街の将来像を語り合うことを目的に発足したTREESは、同コンペに向けたデザインイベント「TREES Work Session」を開催している。市民をも巻き込んだオープンでフラットな協創の場をつくり、新しい広島型まちづくりを目指す。30日に予定しているデザインイベントでコンペに提出するデザイン案のプレゼンテーションを実施し、ブラッシュアップした上で6月30日の締切日までに複数案の作品を提出する。写真はデザインシャレットで議論を深めるメンバー。

 活動の母体となるTREESは、学生を含む若手の議論の場を生み出すことを目的に2012年から活動を開始した。これまでにトークイベントやワールドカフェ方式によるディスカッション、ゲストを招いてのトークセッションなどを行い、延べ約300人の建築関係者や学生たちが参加しているほか、人的交流が実を結び、共同設計やコラボレーション作品も生まれている。
 今回の宮島口まちづくり国際コンペに向けては、杉田三郎建築設計事務所(広島市)の杉田宗氏が中心となり、デザインプロセスの拠点となる「TREES Lab」を設け、他分野の専門家との協働や一般市民との接点の場をつくりだし、まちづくりに影響するさまざまな視点から意見できる環境を整えた。参加する若手建築家にとっては、多くの意見を具体案にまとめる挑戦となり、一般の人々にとってはアイデアが形になっていく過程を実感できる機会となる。作品を生み出す「TREES Work Session」は3つのデザインイベントで構成される。3月末に開催された1回目のラウンドテーブル(キックオフミーティング)で協働作業を開始し、5日には短期間に協同でデザインするデザインシャレットを実施し議論を深めた。30日に予定しているプレゼンテーション(最終発表)で提出作品の絞り込みを行う。当日は、ゲストとして建築家の古谷誠章(早大教授)、川勝真一(RAD主宰)の両氏らを迎える。
 宮島口まちづくり国際コンペを主催する広島県廿日市市が公表した応募登録状況は、海外29カ国からの115件を含む計1004件にも及ぶ。若手建築家やデザイナーが協働し、1人や1社とは比較にならない大きな力でコンペに臨む。
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