2015/06/16

【UAV競技会】空撮測量技術を競え! 総合技術部門はチームYODAが優勝

6月3、4の両日、仙台市宮城野区の夢メッセみやぎ西館で、UAV(無人飛行体、マルチコプター)の競技会が開かれた。この催しは、国土交通省東北地方整備局などが毎年開いているEE東北の1イベントとして行われ、13団体が競技に参加し、2000人以上の見学者を集めた。最近、ネガティブなイメージのニュースが続いているマルチコプターだが、東北地整では「建設関連では、調査設計、工事、維持管理や災害対応での利活用が期待されており、その普及を視野に入れて競技会を開いた」(狩野武志東北技術事務所副所長)と説明する。

 競技大会は、EE東北の出展者を対象に、実技と撮影結果で空撮測量技術を競う「総合技術部門」と、一般からも参加が可能で飛行技術と空撮技術を競う「一般参加部門」に分かれて行われた。
 総合技術部門は、実際の構造物の診断に近い競技内容となった。会場内には、高さ4m、幅10m、奥行き2mの大きさで、橋台と橋桁をイメージした模型を設置。参加チームは、対象構造物の周囲を飛行しながら撮影を行い、撮影画像から対象構造物の寸法と、模型に付けられた模擬損傷個所の損傷程度(長さ、面積、深さ)を計測した。

競技後に別室でデータを作成する
実測後は、すぐに別室で撮影写真から測量し、計測結果についてのプレゼンテーション資料も作成する。審査では、計測の成否と計測結果の精度、プレゼンテーションの内容、飛行時間の短さを評価して、総合得点で順位を決定した。
 審査員は、高橋弘東北大大学院環境科学研究科教授、永谷圭司同大未来科学技術共同研究センター准教授、島崎純一クロマテックシステムズ代表取締役、安田吾郎東北地方整備局企画部長、加藤信行同東北技術事務所長の5人が務めた。

競技を見守る審査員ら
一般参加部門は、カメラを積んだマルチコプターを順番に飛ばし、障害物を避けたり、送風機からの風に対抗したりしながら、構造物に付けられたマークを撮影した。撮影後の画像と、かかった時間などから優勝チームを決めた。
 実技、プレゼンテーション発表などの結果、5チームが参加した総合技術部門では、チームYODA(東京都、グロースパートナーズ・丸中建設)が優勝。準優勝は、アスコインフラ空間情報事業部(宮城県、ダイワ技術サービス・アスコ)、3位は寿建設・MTS&プランニング特定競技会共同企業体(福島県、寿建設・MTS&プランニング)、ベスト計測賞は、パシフィックコンサルタンツ・計測リサーチコンサルタント(宮城県、パシフィックコンサルタンツ東北支社)、プレゼンテーション賞は、アスコインフラ空間情報事業部に決まった。
 また、一般参加部門には8チームが参加し、優勝はクイック&ユアテック(栃木県)、準優勝がTooru417(埼玉県)、第3位にTeamFPVTopGun(高知県)となったほか、敢闘賞に岩手スカイメージング(岩手県)、パナックス・ジャパン(宮城県)、空撮ジオテック(秋田県)、ザキヤマ(東京都)、ニタコンサルタント(徳島県)が選ばれた。
 EE東北実行委員会の構成団体名は、以下のとおり。
 日本建設業連合会東北支部、日本道路建設業協会東北支部、東北建設業協会連合会、日本建設機械施工協会東北支部、東北コンクリート製品協会、全国特定法面保護協会東北地方支部、東北地域づくり協会、日本埋立浚渫協会東北支部、建設電気技術協会東北支部、建設コンサルタンツ協会東北支部、東北地方整備局、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、仙台市、東日本高速道路東北支社。

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