2015/06/27

【建築デザイン発表賞】星尚之さんら仙台高専チームに栄誉 建築学会東北

日本建築学会東北支部(源栄正人支部長)は20日、山形市の山形大学で第1回東北支部デザイン発表会を開いた。20、21日の両日に開催した市民開放型イベント「みちのくの風2015山形」の一環として実施した。初の「建築デザイン発表賞」には、星尚之さん(仙台高等専門学校生産システムデザイン工学専攻1年)ら5人=写真=の「公共建築物建設プロセスにおける住民参加の拡充-遊佐町まちづくりセンターにおける取り組み」が選ばれた。

 同発表会は、研究発表がベースとなるイベントの「みちのくの風」に、デザイン系イベントを組み込むことで、デザイン系の教員や学生の積極的な参加を促し、デザイン教育の充実と活性化を図るため、今回から創設した。
 発表会には、建築デザインなどを学ぶ学生のグループなど7組が参加し、各自のテーマについて発表。これを櫻井一弥同支部建築デザイン教育部会長を始めとする審査員が、テーマの内容や成果、発表方法などを総合的な視点から審査した結果、星さんのグループが発表賞に選ばれた。
 「公共建築物建設プロセスにおける住民参加の拡充」は、同校のチームが2012-14年度まで山形県遊佐町各地区のまちづくりセンターの建て替え事業を支援した取り組みを、「住民参加から発起する、住民が主体性を持ったまちづくりモデル」として紹介した。
 一般の公共建築が行政中心となって検討する建設プロセスに対し、今回は地区住民と専門家らで構成する委員会が主体となり、基本構想の策定や設計事業者選定など、設計までの検討を一貫して行った。その結果、住民の意見をより多く反映した設計案が完成した。
 これにより住民の当事者意識の向上を促し、地域のまちづくりに積極的に取り組む意識転換ができたことを成果として報告した。
 表彰式では、同賞の創設に携わった櫻井部会長が受賞作品について「ワークショップのプロセスを綿密に計画し、その成果が出ていることを非常に論理的に説明したことが評価につながった」と講評した。この後、源栄支部長が受賞チームを代表して星さんに賞状を手渡した。
 星さんは「住民が主体となって参加する新しいまちづくりとして考えた。3年以上かけて取り組んだプロジェクトの成果をぜひ皆さんに伝えたかった」と喜びを語った。
 同イベントでは、このほか「第35回東北建築賞表彰式」や「第78回同支部研究報告会」のほか、計画や構造系に関するデザインなどの講演会が2日間にわたって行われた。
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