2015/06/30

【JSCA東北構造デザインコン】最優秀は佐藤圭輔氏らの「KOKERASUの森林浴」(実務者の部)

日本建築構造技術者協会東北支部(JSCA東北、加藤重信支部長)は27日、仙台市青葉区のアエルでJSCA東北構造デザインコンテストを開いた。実務者の部は佐藤圭輔氏ら5人(いずれも構造計画)の「KOKERASUの森林浴」=写真、学生の部は村田裕磨さん(東北大)の「杜の繋ぎ目」が最優秀に選ばれた。

 昨年に続き2回目となるコンテストのテーマは「新幹線が停車する駅周辺に屋根を架ける」。実務者の部に2作品、学生の部には5作品の応募があり、プレゼンテーションを踏まえた来場者の投票で最優秀作品を決めた。
 「KOKERASUの森林浴」は、宮城県大崎市にある古川駅前に架ける木造の立体トラス屋根で、同市鳴子地区の名産品である鳴子こけしの胴体部分をトラス軸材、頭を接合部として部材を構成した。中間部には森の木を表現する間柱を点在させ、トラスの隙間から自然光を取り入れることで木漏れ日を表現する。製作にはBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用した。

「杜の繋ぎ目」
「杜の繋ぎ目」は仙台駅西口のペデストリアンデッキに形と動きで軽さをつくり、駅と東西に伸びるケヤキ並木をゆるやかにつなぐ“杜”をモチーフとした屋根を提案した。柱のフレーム内に伸縮性のあるワイヤーを入れ、そこに蔦(ツタ)を巻き付ける柱の端部を球体とすることで回転性を持たせている。
 発表作品と製作者(所属)は次のとおり(敬称略)。

 〈実務者の部〉

(最優秀)KOKERASUの森林浴=佐藤圭輔、中田明、渡辺一也、佐藤大輔、京谷峻(構造計画)
(奨励賞)一関駅バスプールを覆う屋根=出羽剛治(東北三興設計事務所)

 〈学生の部〉
 (最優秀)杜の繋ぎ目=村田裕磨(東北大)
 (奨励賞)いなほ傘=的場萌子、後藤天志郎(東北大)
 ▽木を活かし、木をつなぐ=小池拓矢、青木和巳(東北大大学院)
 ▽シルエット=菅原啓、南條晃弘(山形大)
 ▽WindBuild=帆刈あゆ美、熊谷姫子(山形大)。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【建築】時代を変えるU-35! 若手建築家7組による斬新な展覧会 10/30まで@大阪市  NPO法人のアートアンドアーキテクトフェスタ(AAF)は30日まで、大阪市北区のうめきたシップホールで「U-35 35歳以下の若手建築家7組による建築の展覧会」を開催している。7組の建築家が参加し、斬新な作品を出展している。入場料は1000円(税込み)。  15日には、大阪市北区のナレッジシアターで記念シンポジウムを開いた。ゲスト建築家による審査も行い、酒井亮憲氏(studio[42])の「hanai」がゴールドメダルに選ばれた。 シン… Read More
  • 【清水建設】「パースで思いを伝える」 AIP最優秀賞の里悦子氏と渡邉美土里氏に聞く  米国の世界的な建築イラストレーション・コンペティション「AIP(アーキテクチャー・パースペクティブ)」で、清水建設設計本部プレゼーテンションセンターの里悦子氏が最優秀賞を受賞した。昨年の第30回大会でも同センターの渡邉美土里氏が最優秀賞を受賞しており、清水建設は2年連続で最優秀賞を獲得した。画像は里悦子氏の『Tokyo Alley』 里 悦子氏 今回、最優秀賞を受賞した里氏の『Tokyo Alley』は東京の路地から空を見上げた… Read More
  • 【奏楽堂】保ち・守り・使う! 歴史を紡ぐ日本最古の洋式音楽ホール保存活用工事  当時は愛知県の野外博物館明治村に移転する予定となっていたが、日本建築学会などから現地保存を訴える声が高まった。このため、台東区が東京芸大から校舎を譲り受け、約300m離れた上野公園内の一部の土地を東京都から借り、87年に移築した。音楽教育の記念碑的な存在であり、音響・遮音効果に対する技術的な工夫が見られる建物として、88年には国の重要文化財に指定された。写真は保存活用工事前の奏楽堂  移築以降は音楽ホールや公開展示施設として活用されて… Read More
  • 【本】建築空間に調和する「いす」の存在感 コトブキシーティングが100周年で『学校建築とイス』刊行  東京大学の安田講堂には、1136脚のいすが据え付けられている。列端の座席の肘掛けには東大の校章が鋳造されており、創建当時のイメージを保っている。重厚な歴史を感じさせる写真から本書は始まる。  教育施設や劇場・ホールなどのいすを数多く手掛けてきたコトブキシーティングは、100周年記念事業の一環として記録写真のアーカイブを進めていたが、その作業の過程で生まれたのが本書だ。 建築物の竣工写真は、世に数多く存在するが、その施設に設置されたいすに… Read More
  • 【大高正人】仕事と可能性に迫る展覧会「建築と社会を結ぶ 大高正人の方法」 10/26から  文化庁の国立近現代建築資料館(東京都文京区)は、建築家・大高正人の仕事の全体像を紹介し、求めた建築の可能性に迫る展覧会「建築と社会を結ぶ 大高正人の方法」を26日から開く。会期は2017年2月5日まで。期間中、広島市と福島県三春町、東京都港区でシンポジウムも3回行う。  大高正人は、戦時下の1944年に東京帝国大学建築学科に入学し、外来講師だった前川國男に師事。卒業と同時に正式所員となり、戦後派スタッフの中心としてプレモス72型や晴海高… Read More

0 コメント :

コメントを投稿