2015/06/19

【記者座談会】見直しから1年、東京五輪の競技会場とその周辺区整備は?

A 新国立競技場に話題が集中しているが、2020年東京五輪の競技会場の整備状況はどうだろう。
B 先のIOC(国際オリンピック委員会)理事会で見直しが検討されていた10競技のうち8競技の会場計画が承認された。これで実施が決まっている28競技中、26の競技会場が決まったことになる。残る2競技の会場についても7月のIOC理事会に報告できるようだし、昨年6月の都議会で会場計画の見直しを発表してからほぼ1年が経過して、ようやく全体の見通しが立ったと言える。
(写真は五輪で近代五種(フェンシング)会場となる「武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)」)

C 都が新設する恒久施設では、武蔵野の森総合スポーツ施設の建設が進んでいるほか、オリンピックアクアティクスセンターと海の森水上競技場、有明アリーナの3施設は8月中に基本設計を完了し、実施設計・施工一貫のデザインビルド(DB)方式で発注となる見通しだ。このほか、競技大会組織委員会も有明体操競技場の基本設計委託手続きを進めており、来年度にも実施設計・施工一貫のDB発注が見込まれている。
B 都では恒久4施設の五輪後の後利用に関する施設運営計画の策定にも取り組む。レガシーとして50年、100年後にも親しまれ、利用される施設となるよう、なによりしっかりと造り込んでほしいね。
C そのためにも現場レベルでの創意工夫が必要だ。主要な新設恒久施設では都発注工事で初めてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルの作成を仕様書に盛り込んでいる。今後の取材も楽しみだ。
A ところで中央区が「銀座付近」から「国際展示場付近」を結ぶ地下鉄新線整備の検討調査報告書を公表した。
D 新線の概算事業費は1625億円から1995億円と試算している。事業主体を第3セクター、25年開業を想定して、15年間から19年間で資金収支が黒字に転換するという。矢田美英区長も「反対論はない」と意欲的だ。
E 五輪の選手村が建設される晴海地区を通るルートを設定している。選手村は五輪後に約6000戸が分譲・賃貸住宅に転用され、新たに約1万2000人の人口が増えると言われている。
D 報告書では地下鉄新線の検討対象地域で、選手村を含めて今後10年間で5万人以上が居住するとみている。都心部と臨海部のアクセス性をさらに高めるため、銀座付近からその先への延伸も今後の検討課題として挙げている。
C 臨海部で多くの五輪競技場が計画されている江東区では、今月「江東区オリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画」を策定した。汐留から豊洲、有明を結ぶ都市型ロープウエー構想も盛り込んでいる。山崎孝明区長は通勤用ではなく、観光用として造れば「観光資源となるし、五輪のレガシーとして残る」と自信を見せている。
E 両区に共通しているのは人口の急増だ。湾岸地域の開発が進み、中央区はこの18年間で2倍の14万人超、江東区は13年弱で10万人増え、今月50万人を突破した。学校の新築なども課題となる。
C 江東区では4月の豊洲西小開校に続き、現在は有明第二小・中の設計を進めているが、まだ「もう1校、湾岸エリアで必要」(山崎区長)と認識している。
D 中央区の小中学校は現在、増改築しか予定していないが、都が14年12月に公表した選手村の大会終了後の住宅棟モデルプランでは学校予定地も明示されている。
A 交通インフラの整備も大事だけど、教育施設を含む生活基盤の整備も待ったなしだ。
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