2015/06/09

【EE東北】最新の建設技術・工法の中から復旧・復興に関する7技術をピックアップ!

最新の建設技術・工法を一堂に集めた「EE東北’15」が3、4の両日、仙台市宮城野区の夢メッセみやぎで開かれた。出展者310者、出展技術845件、来場者1万4000人は、いずれも過去最多を更新。震災からの復興が山場を迎える中、「復旧・復興に関する技術」が161件展示され、来場者の関心を集めた。その中から7技術をピックアップした。

◆ハンドルがないグレーダー

日本キャタピラー東北支社は、新世代モーターグレーダーを発表した。新しいモーターグレーダーは、「12M3」と呼ばれるもので、国道の除雪に適した3.7-4.0m級といわれるクラス。従来のグレーダーとは異なり、ハンドルがないのが最大の特徴。2本のジョイスティックレバーで、ほとんどの操作を行える。発売は来年春を予定している。
 新型機は、左側のスティックにステアリングやギアコントロール、リーニング、アーティキュレートを、右側のスティックにブレードのサイドシフト、サークル回転、シリンダ操作などを集約し、座ったままで整地が可能だ。「オペレーターの操作動作を78%削減できる」(同社)という。
 また前輪も駆動する6輪駆動車で、除雪時の牽引力を向上させている。排ガス規制によって、小型のグレーダー国産車が少なくなる中、国道レベルの除雪に威力を発揮する3.7、4.0m級のグレーダーとして、今後、各種の国内向け改修を行い、来年春にも発売する予定だ。
 EE東北では、発売に先駆けて、高度なシミュレーターを展示、来場者が実際に搭乗して操作を確認した。

◆査定設計書を迅速作成

日本建設情報総合センター(JACIC)は、災害復旧事業費の申請書類・査定設計書を迅速に作成できるソフトウエア「Photog-CAD(フォトジーキャド)」を出展した。家庭用デジタルカメラを使って3方向から被災現場を撮影し、同ソフトで処理すれば、容易に3次元地形モデルの表示やファイル出力が可能。写真撮影から査定設計書の作成まで最短20-30分程度で実施できるという。

◆高機能機器搭載の測量車

大林道路は、GPS(全地球測位システム)やレーザスキャナ、IMU(慣性計測装置)などを搭載した測量車両「RIM」を展示。通常走行しながら車両周辺の高精度な3次元座標データや連続映像を高効率かつ低コストで取得できるシステムだ。災害発生直後の応急点検などに活用できる。

◆PCaPCで省力化施工

ピーエス三菱は、PCaPC(プレキャスト・プレストレストコンクリート)工法による復興公営住宅建設システムを出展した。建物の柱や梁、床などをあらかじめ工場で製作し、現場でプレストレスの力を利用して組み立てることで省力化するものだ。3月に完成した仙台市の「あすと長町復興公営住宅」に採用された。

◆フレキシブルに構造体形成

旭化成ジオテックは、立体ジオセル工法「GEOWEB(ジオウエッブ)」を陳列。耐久性に優れた高密度ポリエチレン板を立体ハニカム状に圧着したセルに、砕石などの充填材を詰めて強固な構造体を形成する。軽量・コンパクトで現場形状にフレキシブルに対応。法面保護や河川・水路護岸、地盤補強など、広範囲に応用でき、迅速な対応を要する災害復旧に効果を発揮する。

◆鉛直方向改良で変位抑制

パワーブレンダー工法協会は、原位置土と改良材をかき混ぜて、改良材の化学反応により土質性状を安定させる地盤改良工法「パワーブレンダー工法」を出展。改良材の供給はスラリー噴射、粉体噴射、地表散布の各方式がある。鉛直方向に攪拌(かくはん)混合するメカニズムのため、噴射圧力が解放されやすく、周辺の変位などの影響を抑えることができる。

◆狭所でコンクリ搬送・据付

丸栄コンクリート工業は、狭所でのコンクリート搬送据付装置「リフトローラー工法」を陳列。従来のトラッククレーンでは据付が困難だった道路や鉄道の高架下、仮設道路がつくれない場所などでの製品施工を可能とする。ボックスカルバート、三面水路、逆T形製品など、幅広く対応できる。
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