2015/06/21

【日立製作所】カメラ3万2000台の統合管理可能な映像監視システム開発 他社製カメラも対応

日立製作所と日立産業制御ソリューションズは、食品工場や商業施設、金融機関、空港などでのセキュリティーを強化できる映像監視システムを開発した。最大で監視カメラ3万2000台、記録装置2000台を統合管理でき、施設規模に応じたソリューションが提供できる。独自の特色を持つ他社製のカメラも接続できるため、さまざまな環境下にも対応する。施設での安全性確保への要請が一層高まっていることから、国内外でシステムを提供していく。8月から販売を開始する。

 システムは、日立産業制御ソリューションズが開発している1台のサーバーで大量の映像データを蓄積できる「Stream Gear」に、日立製作所の開発している映像統合管理ソフトウエア「VisionNet Manager」を連携させ、記録した映像の一元管理を実現する。従来は専用監視レコーダーを複数台使用する必要があったが、このシステムだけでも低コストで大規模な映像監視システムを構築することができるようになった。
 StreamGearは、これまで道路やダム、河川、海岸、港湾といった社会インフラで活用実績があり、広範囲をカバーした防犯や防災のための監視に生かされてきた。一方、VisionNet Managerは複数の拠点の遠隔管理や機器の障害チェックなどにも優れており、両方の機能を掛け合わせることで、より大規模な施設や複数の拠点の一元管理を効率的に実現させる。
 施設の監視については、オフィスや公共施設での防犯・防災への対応のほか、内部統制やテロへの対策の必要性が国内外を問わず高まっている。国内では、食品工場で食の安全確保のためのフードディフェンスへの要請が強い。空港や駅、交通機関など、多数の利用者が行き交う公共施設での映像監視システム需要も拡大するとみられている。監視するカメラの台数を増加させる傾向が強まるだけでなく、施設も大規模になれば、それぞれのカメラを統制するネットワークも必要になる。また、複数の拠点のカメラ映像を本社やデータセンターで管理するケースも増えており、こうしたニーズに今回のシステムで対応できると見込んでいる。
 今回のシステムでは、屋外環境に左右されにくい特徴を持つ他社製のカメラも組み込める。施設の内外など、設置する場所の制約を減らすことにもつながっている。
 今後は、入退室管理システムや警備センサーといった別の設備とも連携させ、設備・機器の異変を早期に検知できるようにしたい考え。セキュリティーにとどまらず、建物や設備の健全性などへの活用に可能性を持たせる。
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