2015/06/28

【本】建設コンサルタント人はもやもやするけれど、おもしろい! 黒川博行著『疫病神』

◆建設コンサルタンツ協会近畿支部事務局長 池田勝彦
 以前から建設コンサルタントの知名度アップのために、当業界を舞台にしたドラマなど、職業の魅力を世間に分かりやすく伝えるコンテンツを望む声が多くある。キムタクが検事役を演じたドラマが好評で、検事を志望する者が増えたらしい。分かりやすいコンテンツが持つ影響力をわが業界にもというわけだ。

 昨年、直木賞を受賞した『破門』(疫病神シリーズ)の主人公の職業が建設コンサルタントだという。大いに期待して、まずはシリーズ第1作『疫病神』のページをめくる。
 産業廃棄物の処分地をめぐって複雑に絡む利権争いに主人公は巻き込まれる。緻密な取材を重ねたと思われる描写にリアルさを感じる読者は多くいるだろう。小説として大変おもしろく、今春ドラマ化されたほどだ。
 しかし、工事現場のサバキをするのが建設コンサルタント? 認識が、ちょっと違う。違いすぎる。担い手確保に忙しい当方にとっては誤解されるのではと冷や汗ものだ。
 建設コンサルタント業界人であれば、「本当の建設コンサルタントというのは…」と読者一人ひとりに説明に回りたくなるはず。不満だが楽しめる妙な一冊。
(KADOKAWA、730円+税)
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