2015/06/26

【働きかた】入職の決め手は「学校の先生」 群馬建協の新入社員アンケート

群馬県建設業協会(青柳剛会長)は、建設業で課題となっている若年者の入職促進のヒントを得ようと、4月に開いた新入社員研修会の参加者にアンケートを行い、その調査結果をまとめた。この中で、回答者の約8割が入社の際に誰かに相談したり、助言・勧めを受け、このうち5割超が「学校の先生」に一番影響を受けたと答えている。青柳会長は「建設業が変わってきたことを高校などの先生方に説明し、理解してもらうことが大事だ」と述べ、産官学の連携の大切さを改めて指摘した。

 群馬建協は同調査のほか、建設業振興基金から予備調査の指定を受け、県内建設産業団体の担い手確保と建設系職業訓練の各調査結果もまとめており、地に足の着いた人材確保・育成を本格化。青柳会長は「人材に焦点を当てれば将来がみえてくる」と中長期戦略に活路を見い出している。
 今回のアンケートは、同協会が2015年度行動指針を「入ってみたい建設業」から「入ってよかった建設業」へと展開させ、具体的方策の柱の一つとなる人材確保・育成の一環として実施。新入社員研修会に参加した89人のうち、回答した88人(女性9人含む)の学歴は高卒45人、短大・専門学校卒18人、大卒17人、大学院卒1人、無回答7人で、職種は技術63人、技能12人、事務8人、その他3人、無回答2人。
 設問のうち、建設業を選んだ一番大きな理由(選択項目から1つのみ選択としたが、複数回答もあり)は、「建設の仕事をしたい」(32人)、「建設系の学校で学んだことを生かしたい」(25人)、「実家が建設業だから」(11人)、「親や知人に勧められたから」(10人)、「雇用条件が納得できたから」(5人)、「家からの通勤が便利だから」(6人)、「その他」(2人)の順となった。
 また、回答者の約8割が入社の際に相談したり、助言や勧めを受けたとし、“誰から”の助言や勧めに一番影響を受けたか質問した結果、「学校の先生」(39人)が多く、続いて「親や兄弟」(18人)、「先輩や友人」(10人)などを挙げた。建設業を志した時期は「高校を卒業するころ」(38人)がもっとも多かった。
 建設業のイメージは「良い」「どちらかと言えば良い」(計43人)が、「悪い」「どちらかと言えば悪い」(計21人)の倍となっている。入職を増やすために建設業界が努力したら良い取り組み(選択項目から複数回答)は、回答者の約半数が「給与を上げる」「休暇を増やす」をそれぞれ挙げ、次いで「女性が働きやすい環境を整える」を指摘。
 現在の建設会社を選んだ一番大きな理由(選択項目から1つのみ選択としたが、複数回答もあり)は、「親や先生などに勧められたから」(28人)、「給与や雇用条件が良かったから」「自分の技術が磨けるから」(ともに19人)で多数を占めた。若者を一人前に育てるための建設会社の努力事項(選択項目から複数回答)では、「仕事の仕方、進め方を親切に指導」(50人)、「技術・技能を身に着ける機会を増やす」(48人)を重視する新入社員が目立った。
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