2015/06/21

【働きかた】全国初の女性交通管理隊員、厳しい状況も感謝の言葉に充実感  ネクスコ・パトロール東北・仲畠智子さん

全国初の女性交通管理隊員になって約1年2カ月。事業所から一歩外に出れば、常に危険と隣り合わせの高速道路が職場となるだけに「勤務中はまったく気が抜けず、つらいこともある」としつつ「お客さまから感謝の言葉をもらった時の充実感は、他の仕事では味わえない」と目を輝かせる。

 交通管理隊は、高速道路を24時間体制で巡回し、故障車や事故、落下物の処理を行うのがメーンの仕事だ。勤務するネクスコ・パトロール東北郡山事業所の管轄は、東北自動車道が白河インターチェンジ(IC)~本宮IC、磐越自動車道は小野IC~猪苗代磐梯高原ICまでとなる。
 白と紺のツートンカラーのパトロールカーに2人1組で乗車し、1日約300㎞を定期巡回するほか、仙台道路管制センターからの指令による緊急出動もある。
 入社のきっかけは、前職の自動車学校の教習指導員時代、父親の車が高速道路で故障した際に交通管理隊に助けてもらったことだった。「父のように予期せぬトラブルに遭い、困っている人たちのサポートがしたい」と思っていたところ、ハローワークで求人票を見つけ、入社試験を受けて見事合格した。
 1日300㎞程度の走行は「まったく苦にならない」ものの、事故車の発見時は緊張が走る。入社間もないころ、追い越し車線に車が横転しているのを発見したが「何から手を付ければ良いか分からず、同乗していた巡回長の指示に従うのが精いっぱいだった」と振り返る。

車線規制訓練。迅速に規制しなければ2次事故のリスクが高まる
事故処理で大切なことは、「お客さまの安全確保と迅速さ」と強調する。車線を規制することで安全を確保するが「事故発生から規制までの時間が遅れれば、通行車両に2次事故のリスクが高まり、場合によってはわれわれ隊員もその事故に巻き込まれる可能性がある」という。
 悲惨な交通事故現場の処理や吹雪の中での路上作業など、厳しい状況に直面することもあるが、子どものころからあこがれていた「人と直接かかわり、困っている人の手助けができる」仕事に就いて充実した毎日を送っている。
 交通管理隊員としては、駆け出しの身だが「巡回長になって、後輩と一緒にパトロールできるようになることが目下の目標。そしていつか、仙台道路管制センターの通信業務に携わり、非常電話などで連絡をいただいたお客さまに安心感を与えられる通信員を目指したい」と意欲を示す。
 同社では今春、2人の女性交通管理隊員が入社した。先輩として「重量物の搬送など、体力的な部分で苦労することがあるかもしれないが、みんながバックアップしてくれる。女性ならではの感性を生かしながらともに頑張ろう」とエールを送る。
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