2015/06/17

【ポラテック】木材のみで12mのロングスパン梁「スーパーキングビーム」 木造のコスパ良さをアピール

建築資材の研究開発、製造販売業から住宅の設計・建築・監理・請負までを手掛けるポラテック(埼玉県越谷市、中内晃次郎社長)は、木材のみの組み合わせで12mのロングスパンを実現した梁「スーパーキングビーム」を開発した。特殊な金属は使用しておらず、木造建築物の普及拡大への貢献を期待している。

 スーパーキングビームの梁は、一般流通材を縦方向にジョイントすることで、最大12mのロングスパンを実現した。3段重ねる梁の間に間柱欠きをして、そこにコッター(くさび)を入れ、さらにボルトで締め付けることにより、大断面梁に近い強度を実現している。
 従来品よりも梁の高さを抑えているため、天井高の確保がしやすく、2階の床梁に採用されることが多いという。10m以上の使用でコストパフォーマンスを発揮する。
 スーパーキングビームには通常の「St」のほかに、配管を通すためウェブの一部を抜いた「La」も用意した。
 同社の木造部材は、住宅用の一般流通木材と高効率の住宅用プレカット加工機を利用することで、大断面集成材を使用した特殊な工法と比較して大幅なイニシャルコスト削減を実現している。CADで設計されたデータを基にコンピューター制御で加工するため精度が高く、工期も短縮される。
 そのほか木造を採用するメリットとして、材料が軽量であるため、基礎と地盤改良のコストを安くすることができるという。北大路康信専務は、今後、木造の中小規模住宅拡大を目指していく上で「まずはS造やRC造よりコストパフォーマンスの良さ、工期が短いなど具体的なメリットを周知させることが必要である」と指摘する。
 また、木造を採用する理由として「今までは『人にやさしい』や『環境にやさしい』などといった情緒に訴えかける方法やデザイン性などにより採用するものが多かった。しかし、実際に木造の方がコストパフォーマンスが良いという面で新たな訴求ができる」と強みを語る。
 北大路専務は「今はまだS造しか選択肢がないと思っているお客さまが多いので、木造という選択肢を周知することが大事だ」とし、「ことしが木造元年となるようにプロモーションに取り組む」と意気込む。木造非住宅の市場拡大を推進する考えだ。

    ポラテック 埼玉県越谷市七左町2-7。電話048-987-7888。

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