2015/06/13

【働きかた】地域限定社員制度あればこそ「妥協許さぬ」仕事両立 東鉄工業積算部・岡部美幸さん

約8年間、八王子支店で契約社員として働いていたが、東鉄工業が4月から創設した地域限定社員制度にトライして社員に。CADオペレーターとして主に仮設計画図の作成を担当するほか、積算、現場支援もこなしている。

 学校卒業後、クリニックで事務をしていたが、一念発起してCADスクールに通い、「ものづくりに携わりたい」という幼少のころからの念願を叶えた。「正社員として働きたいという気持ちはあった」ものの、育児を考えると転勤を伴う社員になることには二の足を踏まざるを得なかった。異動エリアが限定される制度創設が社員として踏み出す決意を後押しした。
 図面の作成は「常に作品づくり」と妥協を許さない。複数の図面を並行して作成することもあるが、「見やすさを重視し、効率的に短時間でつくる」のがモットー。「図面を早く作ってくれてありがとう」と感謝された時が何よりもうれしい瞬間だ。
 ものづくりの最前線を支える重要なポジションであるだけに、「図面をもとに現場が動いているので責任をもってやらなければならない」と肝に銘じている。仕事柄、1日中パソコンと向き合うため、息が詰まることもあるが、「嫌なことはすぐに忘れる」という天賦の才も手伝い、「これまでに辛かったことは思い浮かばない」と笑顔をみせる。
 ストレスを生じさせない職場環境の存在も大きい。八王子支店は子育てに理解があり、子どもの具合が悪くなり、急きょ休まざるを得ない場合でも「嫌な顔一つ見せずに対応してくれる」という。
 契約社員として働き始めた当初は、聞き慣れない専門用語に戸惑うこともあった。「仕事と子育ての両立が厳しく、子どものために仕事を辞めようかと悩んだ時期もあった」が、職場や家族のサポートが力を与えてくれた。「子どもが私の仕事を理解してくれていることがうれしい。『大きくなったらお母さんと一緒に仕事をしたい』と言われた時には続けてきてよかった」と痛感した。
 より業務に集中できる環境構築の一環として、育児や介護など社員の多様なニーズに対応するために創設された地域限定社員制度については、「働く側の選択肢が増えたことで、女性の活躍にもつながる」と実感を込める。
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