長野県小布施町の「修景」によるまちづくりで一時代を築き、風土に根ざした建築で多くの人を感化した建築家、宮本忠長さんのお別れの会・偲ぶ会が29日、長野市のホテル国際21でしめやかに営まれた。政財界、業界などから関係者約1000人が参列し、故人との別れを惜しんだ。
お別れの会実行委員長の市村次夫小布施堂社長は、小布施町と宮本さんの深い親交を振り返り、「建築家がまちづくりに積極的な役割を果たす道筋を全国に先駆けてつけた」と功績をたたえた。阿部守一長野県知事、小坂憲次元文部科学大臣・参院議員、加藤久雄長野市長、三井所清典日本建築士会連合会会長、場々洋介長野県建築士会会長、出澤潔同名誉会長らがお別れの言葉を述べた。
宮本さんは1951年、早大理工学部建築学科を卒業後、佐藤武夫設計事務所を経て、郷里へ戻って父の設計事務所を継いだ。66年に現在の宮本忠長建築設計事務所を設立し所長に就任。2010年から会長を務めた。主な作品は「長野市立博物館」(81年日本建築学会作品賞)、「森鴎外記念館」(島根県津和野町、98年公共建築百選)、「北九州市立松本清張記念館」(00年BCS賞)、「松本市美術館」(03年BCS賞、04年日本芸術院賞)など。日本建築士会連合会会長などを歴任。2月25日に逝去した。
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