2016/03/20

【スウェーデン大使館】森林テーマのイベント開催中! 日瑞の学生設計コンペも


 スウェーデン大使館(東京都港区)は、7日から20日にかけて、同大使館内で森林をテーマとするイベント「Treasures of Forest~森のタカラ、未来のチカラ」を開いている。9日に木造建築シンポジウムを開き、スウェーデンと日本の木造建築の先進事例を紹介したほか、学生設計コンペの授賞式を行い、両国の学生の優秀作品を発表した。写真は日本側の最優秀賞作品『The Proliferating hut“拡散する屋根”~人生をダイナミックに想起させる装置』。

 スウェーデン側の最優秀賞はアルヴィッド・カルストローム、アクセル・ヨグフォルク両氏(スウェーデン王立工科大学)の『A roof“屋根”』、日本側はイッテイデシ・リラビロム、ルカ・マルッリ両氏(東大小渕研究室修士1年)の『The Proliferating hut“拡散する屋根”~人生をダイナミックに想起させる装置』を選んだ。
 学生設計コンペは、スウェーデン建築家協会(SAA)と日本建築家協会(JIA)が共同主催し、都市空間に「森のタカラ」として「コヤ/小屋」を配するアイデアを募った。

スウェーデン側の最優秀作品はアルヴィッド・カルストローム、
アクセル・ヨグフォルク両氏(スウェーデン王立工科大学)の『A roof“屋根”』

 コヤ/小屋はすべて木材を使った純粋な木質構造であることや、都市空間(高密度の都心)の中に配置することなどを条件設定した。提案では、建築手法、周辺環境との関係性や想定した利用者、都市コンテクストにどのように反映するかなどについて説明を求めた。
 審査講評では、『A roof“屋根”』を「ストックホルム葬祭場の森の礼拝堂の屋根を思わせる、美しい屋根のデザインでまとめられている」としながら「屋根の下に森の静謐(せいひつ)さを確保し、都市におけるストレスフルな人びとの休息場となるイメージを力強く喚起させている」とし、「森の持つ静かな宝をうまくとらえた」と評価した。

コンペの受賞者たち

 『The Proliferating hut“拡散する屋根”~人生をダイナミックに想起させる装置』は、「高密度の都市空間に生物組織のような場を形成して、忙しい都市の日常生活に静かな熟考の場所を提供する提案である」とし、「彫刻的なアプローチ、空間的で感覚的な質の高さ、そしてコヤ/小屋がインスタレーションとして翻訳された点に評価を与えた」としている。
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