2016/03/31

【清水建設】現寸図起こしも溶接作業も! 建築系新入社員に体験型研修を導入


 清水建設は2016年度から、建築施工系の新入社員を対象に、ものづくりの魅力を学ぶ体験型研修制度を始める。期間は約1年間。自分でものを造る感覚を実感し、職業人としての誇りやモチベーションを醸成させることが狙い。

 「ものづくり体験型研修」では、はじめに施工図研修、躯体現場研修、仕上現場研修といった建築現場の主要プロセスをそれぞれ2カ月半、体験し、施工サイクルの流れを理解する。その後、ものづくり原点研修と卒業試験からなる集合研修を実施する。
 ものづくり原点研修は、約1カ月間、大工の伝統技術である現寸図起こしに挑戦するほか、同社主要取引先の鉄筋、型枠、鉄骨、コンクリート各業者の工場を訪ねる。鉄筋・型枠工事業者の工場では、施工図から鉄筋・型枠の加工図作成、加工実務を見学し、加工図作成の基本ルールを学ぶ。鉄骨業者の工場では、鉄骨製作の流れを見学し、溶接作業や本締め作業を体験。コンクリート業者の工場では、製造から出荷までのプロセスを確認する。
 卒業試験では、富士教育訓練センターに1週間滞在し、10人1組の班に分かれ、縦4.4m、横2.9m、高さ1.9mで柱、梁各4体の鉄筋コンクリート造建物の躯体工事に挑戦する。墨出、柱・壁の型枠建て込みと鉄筋組み立て、梁・床の型枠建て込みと配筋を行い、施工図をもとに各種の検査を実施し、最後に教材を解体する。
 従来は、入社後2カ月弱の全体研修を経て現場に配属され、OJT(職場内訓練)を通じて必要な知識や心構えを学んでいた。しかし、施工管理業務の分業化が進み、図面と向き合い、ものづくりの醍醐味を実感する機会が減少していた。建築施工系の新入社員はものづくり体験型研修を通じて、目指すべき施工管理業務の姿をイメージし、心構えを醸成した上で、1年後に現場配属となる。
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