2016/03/06

【建築】スケールも環境も“日常の住まい”に近づく施設 洋建築企画の「湘南藤沢徳洲苑」


 茅徳会は、神奈川県藤沢市に(仮称)特別養護老人ホーム湘南藤沢徳洲苑を計画している。施設の設計・監理を手掛ける洋建築企画(神奈川県茅ヶ崎市)は「建設地は三方を緑に囲まれた、まだ自然が残る静かな場所である。ここに、今までの生活と変わらず、心豊かに生活できる『施設』ではなく、『住まい』をつくりたい」と考えた。

 規模は8ユニット80床で延べ約3000㎡となるが「建物は寄棟と切妻屋根の木造2階建てとした。全体を東西2つに分け、それぞれ真ん中に中庭を配置することで、ボリュームをできるだけ小さくし、住宅の持つスケール感に近づけた。抑えたスケールにより、中庭からも自然の光を取り込み、自然の風が流れる日常の住まいにあるべき環境を実現した」。
 さらに「共用廊下をオープンエンドにし、緑を設け、建物のどこにいても緑を感じられる計画とした。東西のユニットをつなぐ部分に管理機能を集約し、運営上の動線にも配慮した。また、この地域はお子さまをかかえた若い世代が多く、馴染みのない場所として地域と疎遠になりがちだが、地域にも溶け込んだ施設となるよう『地域交流スペース』を設け、地域のお祭りなどへの積極的な参加も予定している」という。
 建設地の葛原字女坂台255-1ほかでは、2月から小島組(神奈川県厚木市)が建設工事を開始した。2017年1月の供用開始を目指す。
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