関東地方整備局下館河川事務所は8日、茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊個所で進めている本復旧工事で、堤防盛り土に本格着工した。これに合わせて同日、盛り土と改良土製造の現場を報道陣に公開した。長さ約101mの上流側は鹿島(写真奥)、約100mの下流側は大成建設(写真手前)が施工しており、5月末の本体完成、6月末の工事完了を目指す。今後も現場を公開するなど、随時情報提供する。
同市三坂町地先にある鬼怒川の堤防は、2015年9月の関東・東北豪雨で約200mにわたって決壊した。
両社は9月10日の決壊当日から緊急復旧工事に入り、同19日に護岸による荒締切工、同24日に鋼矢板による二重締切工を完了させた。その後、契約変更するかたちで本復旧工事も請け負い、1月12日から2月20日にかけて荒締切を撤去した。
8日からは盛り土のほか、川表側への遮水シートや護岸ブロックの敷設、鋼矢板打設、川裏側へのドレーン工などにより堤防を構築する。決壊前より最大1.4m高い計画堤防高(施工高は決壊前より1.9m高)とし、天端の幅は6mとする。並行して3-5月に二重締切を撤去する。
改良土の製造現場 |
堤体に使う改良土は両工区とも河川敷で製造を進めている。それぞれオクノコトー(大阪府高槻市)が特許を持つ4軸直列混合方式の「万能土質改良機」を使い、砂質土4、粘性土3、砕石3の割合に混ぜた改良土を両工区合わせて約4万4000m3製造する。
決壊個所の堤防復旧は、15-20年度にハード対策で約600億円を投じる鬼怒川緊急対策プロジェクトの1つ。このほか漏水などが起きた19カ所の堤防整備は16年度に終える。大規模な溢水を生じた常総市若宮戸、下妻市前河原の2地区は15-17年度、常総市向石下、結城市上山川、筑西市船玉、同市伊佐山の溢水箇所4地区は16-18年度に堤防を整備する予定だ。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら
0 コメント :
コメントを投稿