日本建設業連合会九州支部は1日、九州地方整備局が整備を進める佐賀県内の工事現場2カ所で佐賀県立農業高等学校環境工学科の2年生39人を対象とした現場見学会を開いた。生徒らは河川工事やICT(情報通信技術)を活用した道路工事を見学した。
見学に先立ちあいさつした日建連の竹島克朗常務執行役は「見学会は建設業界の社会的役割を知ってもらい、多くの人に建設業を就職活動の1つの選択肢にしてもらうために毎年20回ほど開いている。学校で学んだことを踏まえて現場の創意工夫を知る実践的機会にしてほしい」と趣旨を説明した。
河川工事は福田組が施工する「福富天神排水樋管改築及び築堤工事」を見学した。建設から20年が経過し老朽化した樋管改築と堤防整備となり、軟弱地盤で、干満差が約6mという施工条件の中、樋管周辺の空洞化を防ぐため、地盤とともに沈下するよう柔構造の樋管改築を進めている。生徒らは地盤改良工の攪拌機や鋼矢板を見学した。
道路工事は「佐賀497号府招長田地区東・西改良工事」を見学。西九州自動車道(福岡市~佐賀県武雄市、長さ約150㎞)の一部となる唐津伊万里道路(南波多谷口IC~仮称・伊万里東IC、長さ18.1㎞)で、東工区を岡本建設、西工区を下村建設が施工担当している。ICTを活用しており、見学会ではドローンや3Dスキャナーで測量したデータを使った3D設計図、GNSS(全地球測位航法衛星システム)を使ったバックホウなどを体験した。
ICTを初めて体験する生徒からは「ICTを使った施工は誰でもできるのか」といった質問も挙がり、担当者は「重機を乗りこなすことができれば、ICTを使うと効率的で楽に作業できる」と答えた。同校は毎年、生徒の半数が建設業に進んでおり、今回の2現場にもそれぞれ卒業生が関わっている。先輩の活躍を通して建設業をより身近に感じ、見学を終えた同校の大塚敏文さんは「将来、建設業界を職業選択の1つに入れたい」と語った。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら
0 コメント :
コメントを投稿