東京都小平市は、人口減少、少子高齢化、施設の老朽化に対応するため、(仮称)公共施設適正配置実施計画の策定作業を進めている。こうした公共施設マネジメントの一環として、公共施設について市民に親しみを感じてもらい、関心を持ってもらうため、公共施設を舞台にしたマンガを募集し、応募作品を作品集としてまとめた。また、公共施設マネジメントへの関心を高めるとともに、マンガ作品集を広く知ってもらおうと、マンガ版パンフレットも作成した。
同市は公共施設を1960年代から70年代にかけて集中整備し、80年代以降も市庁舎や市民文化会館などを建設してきた。公共施設数は180施設で、総延べ31万㎡(2013年現在)。このうち、小・中学校の校舎・体育館など「学校教育系施設」が全体の6割を占めている。
施設の老朽化は、目標耐用年数に対する経過年数の割合である老朽化率が50%以上の施設が全体の約6割を占め(13年現在)、20年後には80%以上となる公共施設の割合が8割を超える。26年から37年にかけて、多くの公共施設が一斉に更新の時期を迎えるとみている。
同市は、昨年2月に公共施設白書、12月には市制施行100周年を迎える62年度を見据え、公共施設の大きな方向性を示した公共施設マネジメント基本方針を策定した。基本方針に沿った具体的な取り組みを推進するため、施設の更新が集中する時期を視野に入れながら、17年度から10年間の「(仮称)小平市公共施設適正配置実施計画」を、今年度に策定する予定。この中で、公共施設マネジメント市民会議を開き、公共施設における地域コミュニティーを考慮した地域区分やPPP/PFIといった公民連携の可能性について検討している。
小林正則市長は、「公共施設の再配置や複合化、統廃合など、今後かなり厳しい現実と向き合わなければならない。市としてはできるだけ丁寧に進める」考えだ。また、「それにはまず市民に現状を理解してもらうことが必要」と指摘し、「一人でも多くの方々に作品を楽しんでいただくとともに、公共施設のあり方などについて考える切っ掛けになれば」と話している。
マンガ作品集は、市役所1階の市政資料コーナー、東部・西部出張所で、1冊350円で販売している。マンガ版パンフレットは無料。
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