北陸地方整備局は15日、新潟県立新潟工業高校の土木科に通う生徒(1、2年生)の保護者9人と、同校OBなど(若手技術者)との意見交換会を新潟市中央区の新潟美咲合同庁舎1号館で開いた。参加した父兄は、若手技術者が苦労を重ねながらも、夢や誇りを持って働く姿に、わが子の将来を重ね合わせている様子だった=写真。
高校生の職業選択に関し、大きな支えとなる保護者に建設産業の役割と使命について理解を深めてもらうのが狙い。2014年度から毎年実施しており、ことしで3回目となる。会合には業界の生の声を伝えるため、新潟県建設業協会、建設コンサルタンツ協会北陸支部、新潟県測量設計業協会の協力の下、官民から7人の若手技術者が出席した。
冒頭、同校の本間裕明教諭は「保護者の理解があってこそ、担い手の確保・育成は進む。気兼ねなく質問し、不明な点や不安を少しでも払拭してほしい」と述べた。
続いて、若手技術者として、小川秀幸(福田組)、本間雄大(丸運建設)、飯田雅之(開発技建)、山田裕介(開発技術コンサルタント)、中村彰文(ナルサワコンサルタント)、石川健太郎(信越測量設計)、島崎凌(北陸整備局阿賀野川河川事務所)の各氏がものづくりの魅力、苦労などを力説した。
その中で、「入職当初は土木用語がほとんど分からず、業務を遂行する以前の問題だった」との意見が最も多かった。一方、繁忙期は残業が続くが、「成果物が完成した時に苦労が報われる」「地域の人たちからの感謝が何よりも励みになる」などのやりがいも聞かれた。
ある技術者は「入社から間もなくして東日本大震災の被災地に向かったが、自分の力不足を痛感した。社会資本整備に携わることの意義を改めて考え、そこから仕事への取り組み方が変わった」ことを明かした。
また、大半の技術者が過去の反省を踏まえ、生徒たちには「社内、受発注者を始め、円滑な人間関係が構築できるように、コミュニケーション能力を培ってほしい」と要請した。
保護者は意見交換会に先立って、大石西山排水トンネル工事の現場を見学した。
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