日本スポーツ振興センター(JSC)は28日、新国立競技場整備の新たな完成予想図を公表した。設計を手掛けている隈研吾氏が会見し、「外苑の緑に調和し、印象も含めて市民に開かれたスタジアムにしたい」と指摘、温かく迎えるよう木材を使用していると説明した。「設備や構造の問題などと調整をしながら進める大変な作業だが、実施設計は順調に進んでいる。技術提案のイメージが実現できているので満足している」と述べた。実施設計は11月に完了。
隈氏は、「外苑の緑とスポーツをつなぐ市民に開かれた杜のスタジアム」として、設計の進捗状況を紹介。VIPエントランスには和紙調のクロスと木を使い、折れ線を創り出した「折り紙天井」や、VVIPエントランスには日本独特の緻密なディテールと匠の技を取り入れた「大和張りの天井」=写真=とする。「外苑の緑に溶け込む薄く柔らかなひさし」「スタジアムと東京体育館を緑でつなぐ幅12mのグリーンブリッジ」などのイメージ図も公表した。
このほか、“復興五輪”について、「復興地区の木材を使いたい」との考えを示した。聖火台の設置場所は「どこにでも置けるようにしてある」とし、今後の方針決定に備えている。
工事を中心とした第II期事業を大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JVと10月に契約し、準備工事に着手した。12月上旬に本体着工に入り、2019年11月の完成を目指している。
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