(写真は3月七日の首都高速中央環状線の開通記念式典)
A 首都高速中央環状線が7日に全線開通した。最後の整備区間となった品川線では先端の施工技術が数多く導入されたね。
B 大橋連絡路と本線は、2本のシールドトンネルを合体して高速道路の分岐・合流部をつくる工事をすべて地中で行った。これは国内で初めてだ。また、2本の本線トンネルは、ともに直径12mを超える世界最大級のシールド機を導入して掘削した。掘進距離はそれぞれ約8㎞で、道路トンネルを1基で掘り続けた距離としては日本一だ。
C 大井ジャンクション(JCT)付近から大井北立坑間も特徴的だ。シールド機を地上から発進させ、立坑でUターンして再び地上に到達させる工法を採用した。これも国内初の試みとなる。工期短縮とともに処理する土量とCO2排出量の低減を実現している。
A そうした先端技術は、今後どのように生かされるのだろう。
B まずは、大口径シールドによる掘削が2015年度以降に順次予定されている、東京外かく環状道路(外環道、関越~東名間)で長距離掘進の技術が生かされるだろう。大泉側のシールド機も土被りの浅い斜めの発進立坑から地中に向かって掘り始める計画だ。
C 中央自動車道と接続する中央JCTの構築も難易度が高い。本線からJCTへの分岐合流部分は、本線シールドとランプシールドが接続する複合断面になり、その大部分を地下空間に構築する。国内最大規模の地中拡幅工事となるだろう。
B 外環道には大深度地下利用という未知の領域での施工という課題が加わることになる。長距離掘進、大深度地下利用は、リニア中央新幹線のシールドトンネルにもつながるものだ。
D ゼネコン各社は、東京都が計画している環状七号線地下広域調節池(仮称)を見据えている。白子川と環七の2つの地下調節池を内径12.5mのシールドトンネルでつなぎ流域を越えて相互活用する。総事業費約740億円を見込む事業だ。現在基本設計中で、今後25年度完成に向けて早期着工を目指している。
A 中央環状線の技術は、今後の大規模シールドトンネルプロジェクトに生かされていくということだろう。
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