2016/02/29

【建築九州賞】住宅部門「大池の住宅」、一般建築部門が「熊本県立熊本かがやきの森支援学校」を作品賞に選考


 日本建築学会九州支部(黒瀬重幸支部長)は、2015年度第9回建築九州賞(作品賞)の選考結果を公表した。作品賞は住宅部門が「大池の住宅」(設計=松山将勝建築設計室)、一般建築部門が「熊本県立熊本かがやきの森支援学校」(設計=日建設計・太宏設計事務所JV)=写真=に輝いた。また、地域の建築についての独自の視点などを評価するJIA特別賞には「地形に寄り添う家」(設計=1級建築士事務所ROOTE)を選考した。5月28日の支部通常総会で表彰する。

 建築九州賞は九州地方の建築水準の発展に貢献し学会と地域社会の交流を図ることを目的に、日本建築家協会(JIA)九州支部、同沖縄支部との共催で07年度に創設し、毎年募集・選考している。
 今回は住宅部門33、一般建築部門54の計87作品の応募があった。書類選考による1次審査、設計者のプレゼンテーションと審査員の質疑応答による2次審査(九州建築作品発表会)を経て、住宅4作品、一般建築8作品を第3次審査対象に選定した。その後、現地視察やクライアント、応募者に対するヒアリングによる最終選考で表彰作品を決定した。審査は場所性と環境を反映した建築提案、時代性を踏まえた企画力のほか、技術力、地域貢献などを基準に同賞選考部会(竹下輝和会長)が担当した。
 同支部では、1次選考を通過した35作品を収めた記録誌『九州建築選2015』を3月に出版する。地方自治体の建築関係部署を始め、図書館、美術館、建築系の教育機関など約650カ所に寄贈する。 受賞作品の概要は次のとおり((1)建築主(2)設計者(3)施工者(4)建設地(5)竣工年月(6)用途)。
 【建築九州賞(作品賞)】
 =住宅部門=

大地の住宅

▽大池の住宅=(1)個人(2)松山将勝建築設計室(3)若杉建設(4)福岡市(5)13年9月(6)個人住宅。
 =一般建築部門=
▽熊本県立熊本かがやきの森支援学校=(1)熊本県(2)日建設計・太宏設計事務所JV(3)建吉・豊JV、武末建設、小竹・冨坂JV、坂口建設、増永組、タカムキ建設(建築)、電盛社、昭電社、中川電設、相互電工、西邦電気工事(電気)、上田商会、肥後熊北総合設備、広誠設備工業、誠工社(機械)(4)熊本市(5)14年11月(6)学校。
 
 【JIA特別賞】

地形に寄り添う家
▽地形に寄り添う家=(1)個人(2)1級建築士事務所ROOTE(3)斉藤工務店(4)福岡市(5)12年6月(6)個人住宅。熊本かがやきの森支援学校
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • ガラス、アルミ、そして土 10月にギャラ間で山下保博×アトリエ・天工人展 土の礼拝堂外観 (C)AtelierTekuto 建築家・山下保博氏の展覧会「山下保博×アトリエ・天工人展 Tomorrow-建築の冒険」が10月13日から、東京都港区のTOTOギャラリー・間で開かれる。ガラスやアルミ、土などの素材を巧みに操る山下氏の活動を紹介する。11月1日には、同区の建築会館で講演会を開く。入場無料。問い合わせは、同ギャラリー・電話03-3402-1010。 … Read More
  • 港の風景と調和する「丘のような庁舎」 長崎県庁舎の設計 九州地区の県庁舎としては、1996年に竣工した鹿児島県以来となる全面的な本庁舎移転建て替え計画が長崎県で進められている。公募型設計プロポーザルに入選した日建設計・松林建築設計事務所・池田設計JVが提案したのは、低層化によるコンパクトで風景に溶け込む「丘のような庁舎」だ。新庁舎が建つ長崎港は、1571年にポルトガル船が入港し、交易を求めたのを機に開港、江戸時代には唯一世界に向けて開かれた港として西洋文化を受け入れ、日本に新しい風を吹き込んだ。そ… Read More
  • JVでの応募が可能に!参加要件の厳しさに質問殺到 新国立競技場国際コンペ 現在の国立競技場 日本スポーツ振興センターは、7月に告知した新国立競技場基本構想国際デザイン競技の募集要項に関する質問に対する回答書を公表した。応募資格に国際的な建築賞の受賞経験か収容定員1万5000人以上のスタジアムの設計実績のいずれかを設定していることもあり、「(コンペ実施の)メッセージに広く世界にアイデアを募りたいとの記載があるが、(ハードルが高く)、一部の者しか応募できない」として、参加要件の再考を求める質問もあった。 この質問に対… Read More
  • 30歳以下の建築家限定! 大阪でU-30展覧会 30歳以下の若手建築家7組による建築の展覧会「U―30 Under 30 Architects exhibition 2012」が、9月7日から10月6日まで大阪市のODPギャラリー(アジア太平洋トレードセンター内)で開催される。主催は、「建築家による芸術と社会環境の発展」を目的に据えてさまざまな活動を展開しているNPO法人アートアンドアーキテクトフェスタ。9月29日には、出展若手建築家のひとつ上の世代(40歳前後)の建築家を招き、出展者とと… Read More
  • スレンダーさを限界まで追求 RC狭小住宅を低コストで実現 狭小敷地でも存在感を示す ビルに囲まれた都市の狭小敷地に、スレンダーでしなやかな戸建住宅が生まれた。基礎部分のコストダウンを目的に躯体重量を極限まで軽くしたことで、結果的にRC造でありながら無骨なイメージは消し去られ、スマートな内外観を実現した。設計を手掛けたM・A・D(横浜市)の基真由美代表は「結果的に全体の仕上がりに寄与できた」と、狭小住宅の新しい解に可能性を感じている。 同住宅は、狭小敷地のスレンダーな躯体から、地中へ基礎杭の長い足が… Read More

0 コメント :

コメントを投稿