安藤ハザマと朝日航洋は、モービル・マッピング・システム(MMS)にレーザースキャナーを搭載した、新たな土工出来形計測システムを共同開発した。安藤ハザマが施工する大規模な造成工事(面積約40ha)に適用した結果、従来方式に比べて現地作業とデータ処理や作図に要する時間が約8分の1になり、土量計算用の3次元図面の作成期間が5日から約1日に短縮できた。現場内の測量基準点を用いた計測データの補正処理により、リアル・タイム・キネマティックGPS(RTK-GPS)測量に相当する精度も確認している。
開発した新システムは、MMSを使って刻々と変化する現地出来形を正確な3次元点群データとして取得し、工事の進捗状況や設計図との相違を迅速に把握できる。
開発時には、道路計測や地図作成に利用されているMMSを造成現場に適用するために、さまざまな課題解決に取り組んだ。車両が測量対象の形状に応じて無駄なく走行し、必要な精度を確保できるよう、測量基準点の設置ルールを決めた。データ処理システムについては、建機などの不要物データの削除や、データを適切に間引く技術で情報を軽量化し、高速処理を実現した。
安藤ハザマは今後、全国の造成工事現場で新システムを活用するとともに、取得したデータでより高度な土工CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の実現を目指す。朝日航洋はMMSを建設事業にも展開し、計測コンサルタント事業を拡大する。両社は今後も連携し、国土交通省が進めるi-Construction(アイ・コンストラクション)への対応も視野に技術改良を重ねていく。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら
0 コメント :
コメントを投稿