2016/02/09

【i-Con】現場熟知する青年会議九州と“いの一番に”ICTで意見交換 九州地整


 九州地方整備局は5日、福岡市の東福第2ビルで、全国建設青年会議九州ブロック会員とともにi-Construction(アイ・コンストラクション)の主軸の1つ「土工へのICT(情報通信技術)技術の全面的な活用」をテーマにした意見交換会を開いた=写真。現場での活用状況を情報共有し、効率的・経済的な仕組みづくりに向け協議した。

 i-Constructionにテーマを絞った意見交換会は同局では今回が初めて。地域を守る地場建設業で、特に現場をよく知る青年部会と、同局は「いの一番に意見交換したかった」と言う。整備局からは小平卓企画部長、足立辰夫企画部技術調整管理官ら、建設青年会議からは佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の各代表が出席した。
 会では、青年部会員が現場でのICT技術の活用状況を紹介した。九州横断道(嘉島~山都)浄光寺地区改良3期工事ではUAV無人航空測量機を使って3D処理した上で、3Dプリンターで模型を作り、発注者との協議や住民説明会で活用した。大分川ダム工事では地上型3Dレーザースキャナーを用いた土量計算を行った。同局は、15年度に実施した無人化施工機械、マルチコプターなどの操作訓練や、情報化施工現場見学会の実施状況を紹介した。
 自由討議では、「受注者に不利にならない仕組みづくり」がテーマになった。検査処理が増えたり、工事量を確保できなければ専任の技術者を遊ばせてしまうなど、ICTを導入しても不経済になってしまうケースもある。また、機械の稼働が減れば、減価償却に時間がかかり、経営悪化につながるとも指摘された。
 両者は今後も現場の実態を把握し、ICT導入で効率的・経済的に仕事が進められる仕組みづくりとともに、工事量を確保するために他省庁や県・自治体などすべての発注機関で導入を進めていくことが必要だとした。
 一方、i-Constructionが建設業において有効な施策だとの思いは共有され、川越昌一郎宮崎県建設業協会青年部連合会部会長は「効率よく、限られた人材で仕事ができるようになる。(3Dプリンターなどの活用で)社会資本整備をわかりやすく発信することもできる。現場からも活用すると便利だという声が挙がっており、確実に導入は進むだろう」とした。
 同局は今後、コンサルタントなど施工にかかわる各セクションとの意見交換会を実施し、仕組みづくりを進めていく。さらに、本省による「ICT導入協議会」の設置を踏まえ、九州地域でも学識者などを交えた協議会設置を検討する。
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