京都府が桂川右岸地域で整備を進めている雨水幹線「いろは呑龍トンネル」の最後の工区となる南幹線のシールドマシンが完成した。洛西浄化センター(長岡京市勝竜寺)内に設置した発進立坑へのマシン設置が完了しており、今月末にも掘削を始める。施工は西松建設・ケイコン・今井建設工業JVが担当。2017年秋の1次覆工、19年3月の完成を予定している。
その後、20年度に暫定供用し、同センター内にポンプ場や調節池を整備し、23年度の全体完成を目指している。
南幹線工事では、泥水式シールド工法(径4060mm)を採用、日進10mを目安に4068mを掘削する。約2㎞の地点でビットを交換する。土被りは約20m程度で名神高速道路や東海道新幹線の下も通過する。工事場所は長岡京市勝竜寺樋ノ口~向日市鶏冠井町南金村。
シールドマシンのカッター部。マシンは大阪の工場で製作し トレーラー17大で搬入した |
施工を担当する西松建設JVの大石浩所長は「延長4㎞を超え、水圧も高いため、高度な技術を要する工事になる。重要な国道や鉄道を通過するため、近接構造物に影響がないよう十分に配慮し、円滑に施工を進めたい」と意気込みを語った。
いろは呑龍トンネルは、桂川右岸地域の浸水被害を軽減する目的で建設を進めている雨水幹線トンネルで、1995年から事業を進めている。北幹線となる1-3号幹線は供用済みで、現時点でも台風やゲリラ豪雨発生時の大雨対策として効果を発揮している。南幹線が完成すると、対象区域が長岡京市域まで拡大する。呑龍ポンプ場から桂川に貯留した雨水を放流することで、これまでの約2倍の雨水への対応が可能となる。
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